名古屋に来て「名古屋コーチン」を食べないわけにはいかない。
鶏と言えば、名古屋では手羽先文化が根付いている。山ちゃんや風来坊など、手羽先を出す店は多い。
その多くは名古屋特有の甘辛い濃い味付けの手羽先で、どうしてもジャンキー感が出てしまう。
しかし、名古屋コーチンは肉のコクと旨味が強いため、調味料が主張するジャンキーな味付けとは相性が悪いのだ。
今回、名古屋コーチンを美味しく食べられる店を探していたところ、期待を上回る店を見つけたので、紹介しておきたい。
その店は、名古屋コーチンを使った料理でたびたび賞を取っている「鳥開 総本家」だ。
鳥開は愛知を中心に十数店舗を展開するチェーン店だが、チェーン店らしからぬ料理が味わえる。
名古屋駅のエスカ店は親子丼に特化した特殊営業とのことで、今回は駅から少し離れた「鳥開 総本家 名駅西口店」にお邪魔してきた。
鳥開 総本家は金賞の嵐
駅から5分ほど歩くと、鳥開総本家・名駅西口店が見えてきた。入り口には「丼グランプリで金賞」だとか「からあげグランプリで金賞」だとか、やたらと自慢してくる販促物が掲示してあった。
それも数年連続で受賞と、自慢に自慢の積み重ねである。
「これで美味しくなかったら怒っちゃうんだからネ!」などとツッコミを入れつつ入店した。
とても美味しい名古屋コーチンをお洒落な店内で
内装は茶系で統一され、小奇麗でお洒落な空間が広がる。従業員の愛想もとても良い。店全体で高級感を醸し出している
名古屋コーチンの手羽先は、ジャンク感ゼロ
上品な下味が名古屋コーチンのうま味を引き立て、コショウが効いた皮はパリパリに揚がっている。
肉はジューシーで弾力がありながらも歯切れの良い、最高のコンディションだ。
※名古屋コーチンの手羽先の画像を撮り忘れてしまったので、国産若鶏の手羽先の画像を使用している。見た目はさほど変わらないが、名古屋コーチンは3本で1人前だ。
名古屋コーチンの美味しさが一番わかるのは焼き鳥
名古屋コーチンの美味しさをダイレクトに味わうなら、焼き鳥がおすすめだ。それも「塩」がいい。
肉そのものの旨味や甘さがダイレクトに伝わる。
なかでもおすすめなのが「上肝」だ。俗に言うレバーである。
炙る程度に軽く焼いた上肝の焼き加減は「レア」。鮮度にもこだわっている証だ。炙った表面は香ばしく、中はレア特有のしっとり感がある。そして最終的には口の中でふわっとした食感に変わる。
肝の臭みなど全くなく、むしろ塩が肝本来の甘さを引き出している。「レバー嫌い」の人も絶対に食べられるであろう逸品だ。
ひと串259円(税抜)と、やや値段は張るが、食べて損はない。
究極の親子丼ここにあり
時代が変われど、国が変われど、子に対する親の気持ちは変わらない。親が全てを包み込んでくれるから、子はすくすくと育つ。
でも時には子が親を包み込む時もあろう。親子丼がそうだ。
親が名古屋コーチンなら、子も名古屋コーチン。贅沢に3個もの卵を使った親子丼は、弾力のある肉と濃厚な卵の親子愛である。
焦げ目のついた肉が香ばしく、肉厚でジューシー。濃いオレンジ色が綺麗な卵はとろとろな仕上がりに。
出汁がかかるのを計算してか、少し固めに焚き上げたご飯に、ほんのり甘い出汁が染みる。
肉・卵・米・出汁にこだわりを持った奇跡の親子丼である。
鳥開総本家 名駅西口店・アクセス
愛知県名古屋市中村区則武1丁目7−15
鳥開総本家・名駅西口店公式サイト
名古屋駅西口徒歩5分
[月~金]
17:00~24:00
[土・祝日]
16:00~24:00
日曜定休
鳥開で名古屋コーチンの手羽先に親子丼・まとめ
枝豆やお新香など、すぐに提供できるメニューに「鳥あえず」という冠を被せてくるあたり、鳥に対するこだわりを感じることができる。
ただ、名古屋コーチンは高い。ここ鳥開総本家でも、国産若鶏と名古屋コーチンの料理で値段に開きがある。
名古屋コーチンの親子丼は1,750円(税抜)だし、焼き鳥は1本400円以上もするものさえある。だが、それだけの価値はあり、結局は値段相応のものばかりと感じる。
ジャンクなものを食べたいなら不向きかもしれない。
鳥開総本家に行けば、「鶏肉」に対する価値観が変わることは必至だ。「鶏肉」に対してリスペクトさえするようになるだろう。
「鳥あえず」行ってみてはいかがだろうか?
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