九州で最大の都市、福岡・博多では、とんこつラーメンやもつ鍋などが有名だ。
辛子明太子を肴に薩摩焼酎を楽しむのもいいだろう。
そんな名物たちの影に隠れて、博多で「うどん」が有名なのはご存じだろうか?
全国的に知名度があるのはコシの強い「讃岐のうどん」なのだが、じつは博多は「うどん発祥の地」として、多くのうどん屋がしのぎを削っている。
その証拠に博多駅から徒歩圏内の「承天寺」では、うどん発祥の碑もあり観光スポットとなっているのだ。
博多のうどんは、讃岐のそれと比べて柔らかい。コシがなくふにゃふにゃしている麺が特徴だ。
これは、せっかちな福岡人の性格が由来しているという。
注文が入ってから茹でるのでは時間がかかり過ぎる。予め茹で置きしておくことで、すばやく提供できるというわけだ。
つまり、伸びた状態で提供されるので=柔らかい麺となる。
「どれだけスメを吸っているか」がポイントとなり、吸わせる用の追加のスメを提供するうどん屋まであるというから驚きを隠せない。
博多のうどんのもう1つの特徴は、「具」である。
全国的には揚げを乗せる「きつね」や、揚げ玉を乗せる「たぬき」が一般的だが、博多ではごぼうの天ぷら「ごぼ天」を乗せるのが一般的。
ごぼうからでる旨みが出汁と合わさったときの、絶妙な甘みをぜひ体験してほしい。
この記事では僕が実際に博多で実食したうどん店の中から、とても美味しく、他には類を見ないオリジナリティ溢れるもののみに厳選して、4店舗に絞って紹介する。
どれもアクセスしやすい場所にあるうどん店ばかりなので、福岡観光の一部に組み込んでみてはいかがだろうか。
博多うどん厳選おすすめ4店①「うどん平」
讃岐うどんと福岡うどんのハイブリット。300円から食べられる絶品うどん。
タモリさんご用達の行列必至の人気店
福岡に帰省の際、タモリさんが必ず立ち寄るという「うどん平」。
客の前で一生懸命にうどんを打ち、切り分け、茹でる。雑味の無い澄んだダシが特徴だ。
中心部は讃岐のようなコシがしっかりとあり、表面のみ福岡特有の柔らかい麺は、讃岐派も満足する仕上がりとなっている。
「うどん平」基本情報、営業時間とアクセス
【住所】福岡県福岡市博多区住吉5丁目10−7 第3住吉ハイツ
【電話番号】092-431-9703
【営業時間】月~金11:30~16:00、土11:30~15:00
【定休日】日・祝日
【キャッシュレス】不可
【アクセス】博多駅博多口から徒歩11分
博多うどん厳選おすすめ4店②「春月庵」
何玉でもお替わり自由なコスパ最強うどん。博多で最もおすすめ。
蕎麦もアリ。製麺所が営む麺にこだわったうどんv
「ふすま(=ブラン)」が入ったうどんで、独特の風味が楽しめる名店。
「うどん発祥の碑」がある承天寺のお膝元で、伝承された当時のままのレシピを守る老舗うどん屋だ。
表面はフワっと中心部はコシのあるタイプの麺。しっかりと歯ごたえも楽しめる。さらに、何玉でもお替わりできるサービスには驚くばかりだ。
個人的に博多で一番美味しいうどんとして、おすすめしたい。
「春月庵」の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】福岡県福岡市博多区博多駅前1-7-1
【電話番号】092-473-2911
【営業時間】11:00~16:00[土] 11:00~15:30
【定休日】日・祭日
【キャッシュレス】不可
【アクセス】地下鉄・JR/博多駅徒歩10分
地下鉄/祇園駅4番出口徒歩2分
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博多うどん厳選おすすめ4店③「因幡うどん」
駅直結で手軽に福岡流うどんが楽しめる。朝から営業。
福岡の王道を行くうどん、ここにあり!
博多の人は「朝うどん」を楽しむらしい。そんな習慣に則り、博多駅で朝からうどんを提供する「因幡うどん」は、限りなく博多流。
戦後間もない昭和26年から手間暇かけた自家製麺と、身体にやさしい天然だしで作るうどんは、今でも福岡の人々に愛されている。
「飲むうどん」と比喩されるとおり、出汁をふんだんに吸った麺をすする。
全くコシのない麺(褒め言葉)が堪能できる地元の人気店だ。丁寧に取った透き通る優しいダシも味わってほしい。
「因幡うどん」基本情報、営業時間とアクセス
【住所】福岡県福岡市博多区博多駅中央街1−1−1
【電話番号】092-441-7851
【営業時間】8時00分~23時00分(朝食は11:00まで)
【定休日】無し
【キャッシュレス】クレジットカード可
【アクセス】JR博多駅直結 博多デイトスB1F
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博多うどん厳選おすすめ4店④「大地のうどん」
駅直結のインパクト大なパンチのある味。讃岐に近いコシの強いうどん。
顔ほどのサイズがあるごぼう天が自慢な人気店
インスタ映え抜群のインパクトのあるごぼう天がトッピングされた、津田流・豊前裏打会の豊前うどんが食べられる、大地のうどん。
豊前裏打会とは、麺や出汁に独自のルールを課し、独自のスタイルを追求していくうどん屋の集まりである。
高温&長時間の熟成スタイルで作る麺と、羅臼昆布や花かつおなど独自の割合で調合した白だしのつゆ。これらのハーモニーを楽しめるのが、豊前裏打会のうどんだ。
透き通るような細めのうどんは、中心部にしっかりとしたコシがあり、福岡で主流の柔麺とは差別化を図っている。
塩気が強めでドシッとカツオ節の出汁が効いている少し甘さを感じるつゆが、半透明の弾力のある麺に絡むのが特徴だ。
「大地のううどん」基本情報、営業時間とアクセス
【住所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1−1 B2
【電話番号】092-481-1644
【営業時間】11:00~16:00、17:00~21:00
【定休日】無し
【キャッシュレス】不可
【アクセス】博多駅博多口から徒歩3分
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福岡・博多のうどん店、実食して美味しかった4店厳選おすすめのお店まとめ
福岡・博多では、「あくまでも柔らかいうどん」と「中心部にコシを残したハイブリット型」のうどん店が混在している。
せっかくの博多旅行なのだから、地元の流儀に則って柔らかいうどんを楽しみたい、という人には「因幡うどん」がおすすめだ。
逆に、柔らかい延びた麺は苦手、という人は「うどん平」を訪れるといいだろう。
そして、うどん発祥の地としての歴史も一緒に噛みしめたいならば、「春月庵」で決まりだ。
写真として思い出に残したい場合は、「大地のうどん」一択だろう。
もし、福岡流の柔らかいうどんを事前に試しておきたいとしても、スーパーで売っているうどんを長めに茹でるのはやめたほうがいい。
福岡で食べられるうどんは、柔らかくなった麺が出汁を吸うところまで計算されて作られているからだ。
事前に試しておきたい、または気に入ったからもう一度食べたいという場合、お取り寄せで気軽に買える。ぜひ試してほしい。
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