金沢では近年、近海で獲れた旬な魚をふんだんに使った海鮮丼が急激に名物となっている。
金沢駅からもほど近い近江町市場では、海鮮の食べ歩きはもちろん、どこの飲食店でも必ずと言っていいほどメニューに「海鮮丼」の文字がある。
楽しみにしていた観光中の食事、できるならば失敗したくないと思うのが、万人の共通認識ではないだろうか。
もちろん僕も、その一人である。ネットで調べに調べて、ピックアップした3店で海鮮丼を試してきた。その中から、とある寿司屋を紹介したいと思う。
山さん寿司の外観と雰囲気/老舗感漂う雰囲気
近江町交差点側の市場入り口すぐにある「山さん寿司・本店」は、近江町市場に店を構えて60年の、老舗寿司店だ。
朝は7時30分から営業しており、早朝の兼六園の帰りに朝食目的で訪れてもいいだろう。
ネタが無くなり次第の営業終了が影響しているのか、午前中から店の前で行列を作っていた。
「本店」ということは「支店」もあるのかと思い調べてみたが、それらしき店は見つからない。行列に耐えてこの店で食うしかないようだ。
しばし待っていると、店の中から元気のいいお姉さんが出てきて、人数の確認がある。
しかし、お客が1人2人と会計を済ませて帰っていくのに、店内に新たな客を入れようとしない。
もう、かれこれ10人ぐらいが店から出てきただろうか、そんなタイミングでようやく新たな客を店に入れ始めた。
なにやら不思議な入れ方をするな・・・などと考えていると、店内に入ってすぐに理由が明らかに。
店内はカウンター席の他に6人掛けの小上がりが2席ある。
店の外で行列になるぐらいなので、小上がりは当然、相席だ。
すると、建物の構造上、手前の客が邪魔で奥の客が出入りできない現象が起こる。
それを防ぐ為、十数名を一度に席に座らせ、同じタイミングで料理を出す。
せっかくの楽しい金沢旅行、食事後の「花の慶次トーク」に花が咲く事もあろう。でもそこはグッとこらえて、次の客に席を譲ってほしい。
山さん寿司で実際に海鮮丼を食べた感想/ただただ豪華
金沢で傾(かぶ)いているのは、なにも前田慶次だけではない。「山さん寿司・本店」の海鮮丼だって、なかなかどうして傾いているではないか。
席に座り注文すると、5分程で海鮮丼が運ばれてきた。
どこから食べていいのか、取扱説明書が必要かと思うほどに、隙間なく埋められたネタ。
豪華絢爛、紅白の小林幸子よろしく、煌びやかな見た目だ。隙間という隙間に新鮮なネタを気前よく盛り付けたおかげで、行き場を失ったワサビが、まるでウニの親戚かのようなポジションにいるではないか。
身は厚くとても食べ応えがあり、どれも甘みが凄い。白身魚は歯ごたえも感じ、その鮮度がうかがえる。
わずかに温かい酢飯のおかげで、トロを中心とした魚は脂が溶けだし、ジューシーさも味わえる。
ネタは全18種類。金沢の文化、金箔もイクラの上に乗っていた。
3,000円という値段を高いと見るか安いと見るか、実際に現地で評価してみてほしい。
山さん寿司のその他メニューと価格
特上にぎり(10貫)…3,000円/うにいくら丼…3,500円
上にぎり(9貫)…2,200円/にぎり(8貫)…1,400円
大盛にぎり(12貫)…2,000円/おまかせ丼…1,800円
いくら丼…2,400円/てっか丼…2,200円
てっか巻き(1本)…850円/とろてっか巻き(1本)…1,300円
細巻き(かんぴょう、カッパ、おしんこ)…各400円
のどぐろ寿司(1貫)…550円/のどぐろ刺身(1人前)…2,750円
さしみ盛り合わせ…時価/味噌汁…200円
※当記事内の価格は全て税込
山さん寿司の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】石川県金沢市下近江町68
【電話番号】076-221-0055
【営業時間】7:30~ネタが無くなり次第終了
【定休日】不定休
【キャッシュレス】不可
【アクセス】「武蔵ヶ辻(むさしがつじ)バス停」から徒歩2分
▶公式サイトはこちら
立地:★★★☆☆/金沢駅からは遠いが、バス停近い
コスパ:★★★★☆/味噌汁が別料金
清潔度:★★★★★/店舗内外とても綺麗
接客:★★★☆☆/良くも悪くも職人気質
入りやすさ:★★★★☆/週末は行列覚悟
近江町市場「山さん寿司」名物海鮮丼は18種類の新鮮なネタを まとめ
山さん寿司は並ぶ。朝の開店時間から行列ができるのだ。
その理由は見た目にインパクトのある海鮮丼であることは間違いない。
山さん寿司がすごいのは「見掛け倒し」ではない、というところだ。ネタはどれも新鮮で、変な臭みもない。しょうゆをつけなくても甘さが伝わる程のネタを使う。
確かに価格は張るが、せっかくの旅行。贅沢に海鮮丼を楽しんでみてはいかがだろうか。
金沢では他にも様々な名物が食べられる。おすすめのお店をまとめたので、ぜひその記事もチェックしてみてほしい。
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