名古屋市には、東京浅草観音や三重津観音と並ぶ、日本三大観音のひとつ「大須観音」がある。
1612年に名古城の建設に伴い、水害対策の一環として岐阜県羽島市から移転された観音だ。以来、名古屋の街を見守り続ける存在となっている。
JR名古屋駅から乗り換え1回、JR金山駅からは乗り換え無しで、それぞれ10分程度。JR名古屋駅から徒歩でも20分ほどと近い。空いた時間にサクッと観光できるのが、大須観音の良い点だ。
大須観音でお参りが済んだなら、隣接する大須商店街に足を伸ばしてみよう。
約1,200もの店舗がある巨大な大須商店街で、食べ歩きが楽しい。今回は、わんたびオススメの、大須商店街グルメを厳選して10店、お届けする。
名古屋駅から往復含む観光目安時間2~3時間
観光費用~2,000円
大須商店街マップ
【天むす】千寿本店
名古屋名物「天むす」で有名な千寿の本店が、大須商店街にある。
実は天むすの発祥は三重県の津市。津市には同じ「千寿」という天むす発祥のお店があるが、大須商店街の千寿は別の会社だ。
津市の千寿は天むす発祥、大須商店街の千寿は天むすを全国区に広めた「元祖」と言ってもいい。
にぎりたての天むすは5個で770円
ころころとした可愛い見た目の天むすが5個。総量として、茶碗に軽く2杯程度だろうか。
大きな海老天はもちろん、ごはんもアツアツの握りたてがいただける。通常のおにぎりと比べ、味付けは濃いめだ。
丁寧に炊かれたきゃらぶきは箸休めにピッタリ。
テイクアウト(軽減税率で756円)も可能なので、帰りの新幹線で食べるのも風情があって良い。
千寿大須本店・アクセス
愛知県名古屋市中区大須4丁目10-82
営業時間8:30~18:00火曜水曜休み
【唐揚げ】李さんの台湾名物屋台
近年、大須商店街では唐揚げがブームだ。商店街を練り歩くと、実に多くの唐揚げ屋を目にする。
そんな中、いつも人で溢れかえっている「李さんの台湾名物屋台」は、少しスパイシーな唐揚げを楽しむことができる。
魅惑のスパイスがふりかけられた唐揚げ500円
台湾での俳優活動(日本で例えると月9の主役級)から一転、1999年より日本に永住した李さん。本格的な台湾唐揚げを提供する店を、大須で3店舗展開中。
今回は本店にお邪魔し、ご自慢の唐揚げを食してきた。
特製の粉で揚げた唐揚げは、パリパリ食感。鶏肉は旨味がジュワっと広がりとてもジューシーだ。
写真だと分かりにくいが、赤い粉(おそらく唐辛子の粉末?)がかかっており、南国風な辛さを体験できる。
ちなみに、赤い粉は多め・普通・少なめ・無しと4段階から選べ、少なめにしても相当辛かった。
李さんの台湾名物屋台・アクセス
【五平餅】大須ごへいもち店
愛知県や岐阜県の山間部には、「五平餅」と呼ばれる郷土料理がある。
米を粒感が残るくらいに粗めにすり潰し、棒やヘラに巻き付けて焼いた料理だ。
形も味付けのタレも、地域や店によってさまざま。大須ごへいもち店では、いったいどんな五平餅が食べられるのだろうか?
くるみ味噌と赤味噌の2種類、2本で300円
大須ごへいもち店の五平餅は1本200円だが、2本以上注文すると1本150円となる。
2つの味を1本ずつ、計2本で300円なので、ぜひ両方の味を試してみよう。
くるみ味噌と赤味噌は、それぞれ団子型の五平餅で食べやすい。どうやら岐阜県ではくるみを用いたタレが多いようで、愛知県はご存じの通り赤味噌文化だ。
ほんのり甘いくるみ味噌と田楽風の赤味噌は、どちらも焼き立てを用意してくれる為、香ばしい香りも楽しめる。
五平餅は都市部ではあまり見かけないので、積極的に予定に組み込みたい。大須商店街の食べ歩きでマストアイテムではなかろうか。
大須ごへいもち店・アクセス
愛知県名古屋市中区大須2丁目12-12
営業時間11:30~19:00水曜木曜休み
【焼き小籠包】包包亭
包包亭(ぱおぱおてい)では、本格的な焼き小籠包を1個から購入できる。
正確には焼き包子(ぱおず)と言い、小籠包の肉汁・餃子のカリカリ感・中華まんのもっちり感を組み合わせた、ハイブリット点心だ。
肉包(ろうぱお)180円
手にすると結構ズッシリと重みがあり、中具がたくさん詰まっていることが分かる。
発酵させて焼き上げたモッチリした皮を破ると、隙間なく詰められた具が顔を出す。すぐに肉汁が溢れてくるジューシーさだ。
焼き立てでとても熱いので、肉汁でやけどをしないよう注意しなければならない。
皮はほんのり甘さが伝わり、中具もしっかりと味が付いている。したがって、醤油などを垂らす必要はない。そのままほおばろう。
包包亭・アクセス
愛知県名古屋市中区大須3丁目20−14
営業時間11:30~20:00水曜定休
【お好み焼き】やきや
大須商店街はすごい!なんと、お好み焼きまで食べ歩きできてしまうのだ。
ワンハンドお好み焼き250円
アルミホイルに包まれた、ワンハンドのお好み焼きは、驚愕の250円。
生地は薄めで、どちらかと言うと広島のような重ね焼きスタイルだ。
ソースもしっかり効いていて、全体的にまとまりのある美味しさ。とても250円とは思えないコスパである。
やきや・アクセス
愛知県名古屋市中区大須2丁目17-9
営業時間11:00~17:00不定休
【ラーメン】スガキヤ
愛知県のソウルフード、B級グルメのスガキヤラーメンは、人気が絶えない。
愛知県内各所に店舗があるが、観光客が立ち寄りそうな場所にあるのは珍しく、大須商店街の店舗は貴重だ。
ラーメン360円
なんと言っても安さが魅力のスガキヤ。
とんこつと和風だしのブレンドだと言うが、何度食べても何味だか分からない。醤油や味噌などのようにジャンルにこだわらない、もはや「スガキヤの味」というジャンルである。
何度も食べたくなるインスタントラーメンのような、誰からも愛される旨さが秘められている。
スガキヤ・アクセス
営業時間10:30~19:30木曜定休
【唐揚げ】まる芳
唐揚げで盛り上がる大須商店街で、新なごやめし総選挙のグランプリを受賞したまる芳。
店主の得意料理だという唐揚げを始め、最近流行りのチーズドッグやタピオカドリンクなどを販売し、若い世代にも支持されている。
唐揚げ580円
まる芳では、衣に片栗粉を使い米油で揚げている。その為か、サクサクしたとても軽い食感の唐揚げに。
味は多岐に渡り、基本の醤油ベースや、辛いチリ味が人気のようだ。
名古屋らしく、あずきとクリームがトッピングされた唐揚げもあり、「意外とマッチする」と好評である。
まる芳・アクセス
愛知県名古屋市中区大須3丁目20−14
営業時間11:30 ~ 19:30不定休
【栗】今井総本家
栗を専門に扱う、明治39年創業の和菓子屋だ。
さすがに甘栗は食べ歩きには不向きなので、栗まんじゅうを購入してみた。
他にも、栗のソフトクリームや栗のカステラ、夏には栗ミルクをかけたかき氷なども販売している。
いろんな味の栗まんじゅうは1個180円
まんじゅうといったら「あんこ」なのだが、せっかくの栗専門店なので、マロンクリームの栗まんじゅうを購入してみた。
ほんのり甘いカステラ生地に、なめらかなマロンクリームがとても合う。この手の商品にしては、栗の風味がちゃんと感じられるのでオススメだ。
今井総本家・アクセス
愛知県名古屋市中区大須3丁目30-47
営業時間9:00~18:00
【コーヒー】コンパル
喫茶店文化が根強い名古屋において、最も有名な喫茶店がコンパルである。
全国区で展開するコメダ珈琲店と異なり、コンパルは愛知県限定で展開する、地元に根付いた喫茶店だ。
アイスコーヒーを頼むとホットコーヒーが出てくる変わった喫茶店。名古屋に訪れたら一度は足を運ぶべき喫茶店と言っても過言ではない。
コーヒー420円
コーヒーが最も美味しく抽出できると言われるネルドリップで淹れたコンパルのコーヒーは、濃厚なコクが特徴。
生乳のみで作ったフレッシュクリームを入れて飲むのが、コンパル流。
コーヒー好きの僕が、日本一うまいコーヒーだと思うのが、コンパルのコーヒーだ。
他に用事がなくてもコンパルのコーヒーを飲む、ただそれだけの為に新幹線で名古屋まで出向く理由になりえる1杯である。
コンパル・アクセス
愛知県名古屋市中区大須3丁目20−19
営業時間8:00~21:00定休無し
【みたらし団子】新雀本店
店先で焼く、昔ながらの団子は、大須商店街の名物になっている。
2代目となる店主が絶妙な加減で焼いてくれる団子は、みたらしやあんこ、きなこなど種類も豊富。
大須商店街散策のお供にはピッタリなグルメだ。
みたらし団子100円
新雀本店のみたらし団子は、砂糖と醤油で作る甘いみたらしと違って、さっぱりとしている。僅かな甘みで上品と言えるほどの味付けだ。
醤油はずっと継ぎ足して使っているようで、味が円やか。角が立っておらず、醤油の風味が柔らかい。
焦げ目の香ばしさが、箸を進める。もとい、串を進める。
新雀本店・アクセス
愛知県名古屋市中区大須2-30-10
営業時間13:00~19:00不定休
大須商店街で食べ歩き10選!~大須観音の観光のついでに~まとめ
10選の中に李さんの台湾名物屋台とまる芳、2つもラインナップしていることからもわかる通り、大須商店街を歩いていると唐揚げ屋に数多く出くわす。
しかし、大須商店街の魅力は唐揚げだけではなく、バラエティー豊かな様々なグルメが楽しめることだろう。
大須観音駅から上前津駅にまたがる商店街なので、新雀本店の昔ながらの団子をほおばりながら、一駅歩くのも楽しい。
スガキヤのラーメンやコンパルのコーヒーでゆっくりするのもいい。
それぞれの楽しみ方ができるのが、大須商店街の利点である。
お気に入りの店を見つけたら、ぜひともコメント欄でそっと教えてほしい。
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