名古屋では手羽先やひつまぶしなどの名物料理を「なごやめし」と呼ぶ。八丁味噌の主張が強い「なごやめし」の一員でありながら、あまりポピュラーではない「とんちゃん」をご存じだろうか?
豚のホルモンを甘辛い味噌で味付けした焼肉である。
一般的に焼肉店でホルモンと言えば牛だが、豚を楽しむのが名古屋流。
名古屋市内に「とんちゃん」が食べられるホルモン店は多数。共通するのは「下町情緒あふれる空間」ということだ。
「とんちゃん」の味自体が美味しいのはもちろん、もくもくと煙る店内でワイワイ賑やかにホルモンを焼きながら飲む。その全てが相まって「とんちゃん」なのである。
近代化が著しい名古屋駅周辺において、「とんちゃん」を出す店だけは下町。きどった小綺麗さは皆無である。それがまた、「旅」の気分を盛り上げる一因となるのだ。
「駅西ホルモン」は駅近、低価格
名古屋駅の目の前にある味噌とんちゃん屋「駅西ホルモン」は、駅前という好立地ながら、低価格でホルモンのさまざまな部位をいただくことができる。
名物となっている「味噌とんちゃん焼き」が290円と一番低価格なのを始め、豚レバーや豚ハツなど、あらゆる豚ホルモンが300~400円と、嬉しい価格になっている。
駅西ホルモンには豚だけでなく牛もある。驚くことに牛のタンが590円と、とてもリーズナブルだ。他の牛の部位も500~600円で、普通の焼肉屋に行くより安い。
さらには18時までに入店すると、ハッピーアワーで、90分間999円飲み放題となる。どんなに大酒飲みでも、2千円もあれば満足できる晩酌ができるだろう。
「駅西ホルモン」味噌とんちゃん焼きは中毒性アリ
ホルモンを食べる際、初心者は「いつ飲み込んだらいいの?」なんて疑問を感じるらしいが、味噌の味が薄れてきたら飲み込めばいい。
しかし駅西ホルモンのホルモン達は、他の焼肉店と比較して柔らかい。ホルモン初心者にもおすすめだ。
名物の味噌とんちゃん焼きは、網に乗っている分で1人前290円。毎月10日は半額になる。
八丁味噌で仕立てた濃厚な味噌ダレがよくしみて、豚の内蔵なのに臭みもない。ジューシーな脂がクセになる逸品だ。
駅西ホルモンでは、毎朝手洗いでホルモンを洗い、仕込むそうだ。これだけ臭みを低減させるには、相当な時間洗っているに違いない。なんだか290円で食べるのが申し訳なく思えてくる。
個人的には「パイプ」という部位が美味しかった。喉の食道部分だそうで、軟骨のようにコリコリしていて歯ごたえが凄い。
程よい塩味で、酒のあてには最高だ。
「駅西ホルモン」・営業時間とアクセス
名古屋めし‟とんちゃん”は「駅西ホルモン」・まとめ
令和の時代において、いまだに懐かしさ残る昭和を感じることができるレトロな空間で、服につく煙の臭いなど気にもせずにホルモンを焼く。
朝挽き手洗いのホルモンを秘伝の八丁味噌で仕込んだタレでいただく。
キンキンに冷えた生ビールを流し込む。
なんとも贅沢ではないか。
酒を頼まずにホルモンとライスで晩ご飯としてる人もいた。濃厚な味噌ダレは白いご飯にも合いそうだ。土日祝日はランチ営業もしていて、お昼から豪勢に焼肉ランチもいただける。
ご飯でも良し、お酒でも良し。名古屋に出向いた際には、ぜひとも味噌とんちゃん焼きの魅力を存分に味わってほしい。
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