見よ!この圧倒的スケールのごぼ天を。丼からはみ出した、フリスビーの如きごぼ天を。
福岡は博多の「大地のうどん」は、顔面ぐらいあろうかと思えるごぼ天がインパクト抜群なうどん屋だ。
隣の席でも、うしろの席でも、あの席もこの席も、大地のうどんに訪れた全員がスマホ方手に写真を撮っていた。
だが大地のうどんは、このインパクトだけが勝負ではない。柔麺が特徴の福岡において、少し路線を変えた「豊前うどん」を提供している。
津田流、豊前裏打会の加盟店は、「豊前うどん」を出す。修行の末、許可を得ないと「豊前うどん」を名乗れないというのだ。
豊前裏打会とは何なのか、豊前うどんって何なのよ?と、意味が分からなかったけれども、とりあえず行ってみた。
「大地のうどん」外観と雰囲気/昔ながらの地下街店舗
「大地のうどん博多駅ちかてん」は、少しさびれた地下街の端っこにあった。連日行列が絶えない人気店だ。
「豊前裏打会の教育係」として、修行に訪れる者も多いと聞く。そのせいか、大地のうどんは豊前裏打会で最多の店舗数を誇る。
豊前裏打会の味のベースを忠実に守り、ぶれることのないうどんを出すと評判だ。
ただ、初見だといろいろとまどう事がある。例えば食券制なのに、食券を買う前に注文を取りにくる。
人気店なので少しでも待ち時間を短縮する工夫なのだろうが、注文を通しているのに改めて食券を買うべきか否か、初見では迷う。
冷静に考えてみれば、食券機で代金を払うわけで、注文を通した後だろうが食券は買わなければならない。
さらに、水はセルフサービスとなっている。その水が分かりにくい場所にあるばかりか、テーブルにも表記はなく、従業員からも説明はない。
他の常連とおぼしき客がセルフで注いでいるのを見て、初めて水がセルフであることを知った。
初めて訪れる際は注意していただきたい。
「大地のうどん」は有志で発足した津田流、豊前裏打会
北九州市のうどん屋「津田屋官兵衛」の店主が発起人となって誕生したのが豊前裏打会だ。定められたルールの中で、独自のスタイルを追求していくうどん屋の集まりである。
麺や出汁に独自のルールを課し、そのルール内で各々がお店のスタイルを追求していく。
愛情を注ぎこんだ独特の麺
豊前裏打会の麺は、蒸しを加えたり熟成させたりして造る独特な麺である。
通常、うどんは常温下で6時間ほど熟成させる。ところが豊前裏打会は高温&長時間スタイル。
粉から厳選したうどんは、注文が入って茹でる直前に切り分けるといったこだわりも見せている。
長い時間をかけて完成する出汁
羅臼昆布や花かつおなどを豊前裏打会独自の割合で調合し、白だしを作る。最低一週間寝かせた返しは、風味を損なうとの理由から、絶対にしょうゆを沸騰させない。
「大地のうどん」で実際にうどんを食べた感想/見た目と同じく味にもインパクトが
大地のうどんに来たならば、この圧倒的ビジュアルのごぼ天うどんを頼まずにはいられない。
透き通るような細めのうどんは、中心部にしっかりとしたコシがあり、福岡で主流の柔麺とは差別化を図っている。
塩気が強めでドシッとカツオ節の出汁が効いている少し甘さを感じるつゆが、半透明の弾力のある麺に絡む。
そして肝心のごぼ天だ。薄く斜め切りにしたゴボウが渦を巻くように揚げられていて、丼の上に鎮座している。
これは、そのままサクッと食感を楽しみながら食べるも良し、つゆに浸して出汁との調和を求めるも良し、好みのスタイルで食べて構わない。
「大地のうどん」その他メニューと価格/300円から~コスパ高い構成
つけ麺
ざる…450円/釜あげ…450円/天ざる…800円
天釜揚げ…800円/肉汁釜揚げ…650円
あったか
かけ…300円/きつね…400円/わかめ…400円
ごぼう天…480円/具だくさん…500円
肉…530円/やまかけ…530円/海老天…550円
梅あっさり…550円/カレー…600円
肉ごぼう天…680円/天ぷら…700円
※当記事内の価格は全て税込
「大地のううどん」基本情報、営業時間とアクセス/博多駅直結で便利
【住所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1−1 B2
【電話番号】092-481-1644
【営業時間】11:00~16:00、17:00~21:00
【定休日】無し
【キャッシュレス】不可
【アクセス】博多駅博多口から徒歩3分
▶公式サイトはこちら
立地:評価5/博多駅直結の商業ビル内。
コスパ:評価5/味と価格のバランス良し。
清潔度:評価3/店頭も店内もやや雑多なイメージ。清掃は行き届いている。
接客:評価4/元気と活気はある。
入りやすさ:評価4/ひとりでも入りやすい。
博多のランチは「大地のうどん」が超おすすめ・まとめ
あまりに大きいごぼ天は食べずらい。どうやって口に運んだらいいものか試行錯誤が求められる。オッサンがうどんを食べるうえで四苦八苦している姿は滑稽であり、少し恥ずかしい。
だが、店内を見渡せば、ほぼ全員が同じように四苦八苦しながらごぼ天を食べている。これもまさに滑稽であり、この滑稽さが大地のうどんの醍醐味と言えよう。
「福岡のうどんは試したいが、柔らかい麺は苦手」という人は多い。そんな時はこの大地のうどんを訪れてみてはいかがだろうか。讃岐のようなしっかりとしたコシは味わえなくとも、福岡の柔麺よりはしっかりしている。
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