仙台駅から徒歩数分の場所に、「仙台朝市」の会場となる商店街を発見した。
「朝市」と銘打ってはいるが、ほとんどの店舗が夕方まで営業している。
商店街と言っても5~60メートルほどしかなく、意外とコンパクトな会場だ。
朝から鮮魚や青果が売られている他、新鮮な魚や野菜を調達できる環境下で、安くて旨い朝食を提供する店も多い。
仙台ならではの「ずんだ団子」をほおばりながら見て回るのもいいだろう。「朝市ラーメン」をすするのもいい。
朝食にぴったりな「朝市丼」は海鮮がたっぷり乗って、なんと500円。さらに65円で買える総菜屋のコロッケなど、食の宝庫と言っても過言ではない。
今回は仙台朝市で食べ歩きをしてきたので、詳しく紹介していこう。
朝市食堂「しょう家」の朝市丼は500円で味噌汁付き
鮮魚店の一角に、「しょう家」はある。6席程しかないカウンターだけの小さなお店だ。
食券を買い、出来上がれば自分で受け取りに行く。食後も返却口に返す完全セルフで、驚きの価格を実現している。
550円の海鮮丼を中心に定食なども扱っているのだが、ぜひとも朝市丼を選んでほしい。
刺身類は比較的小さめのカットだが、味噌汁と小鉢とおしんこが付いて500円と驚きの価格だ。
けして豪華な海鮮丼ではない。しかし「500円の朝食」ということを考えれば、コストパフォーマンスは最高ではないだろうか。
ただ、朝市丼は数量限定らしく、お昼を待たずに終了してしまうことが多いらしい。
しょう家は朝7時から営業しているので、ぜひ早起きをして行ってみてほしい。
仙台朝市の「ころっけや」齋藤惣菜店で名物コロッケを
コロッケやハムカツにトンカツなど、揚げ物を中心に販売する齋藤惣菜店は、自らを「ころっけや」と呼称する。
名物の「じゃがじゃがコロッケ」は、オーソドックスなコロッケに比べ若干厚さが薄い、食べ歩きにも丁度良いサイズ。1個65円なので気軽に買える。
ひき肉や玉ねぎは少量で、完全にじゃがいもの引き立て役に徹している。丁寧にも「じゃが」を2回繰り返す商品名からも分かるとおり、じゃがいもの甘味が強く出たコロッケだ。
植物油とラードのブレンドが、香ばしく揚げるポイントなのだそう。驚くことに、1,500個以上も売れる日もある大人気のコロッケは、仙台朝市のマストアイテムだ。
やはり揚げ物なので、揚げたてが一番旨い。確実に揚げたてが食べられる開店時間を狙って訪れるのをおすすめしたい。
(本当に)隠れた名店、朝市ラーメンをすする
「隠れた名店」と言えば、「質は良いのに、どういうわけか認知度が低い」店に使われる枕詞である。
しかし、ここで紹介する「朝市ラーメン」は、仙台朝市の中でも知名度は高い。
では、なぜ「隠れた名店」なのかというと、外観写真を見て貰えば分かる。
「なんだ?さっきのコロッケ屋じゃねぇか!」と突っ込む前に、写真をよく見てほしい。
歩道側に「ラーメン」の文字が書かれている看板を見つけられただろうか?
看板はすぐに見つかるのだが、店舗がなかなか見つからない、まさに「隠れた」名店なのだ。
その「隠れた」店舗は、コロッケで賑わう齋藤惣菜店の奥にある。
まるで従業員専用スペース。「え?ここ入っていいの?」と疑いたくなるような、半ば齋藤惣菜店の作業スペースを突っ切っていくように建物の奥に進むと、柱の陰に隠れた「朝市ラーメン」の店舗がお出ましだ。
どうやら店舗名も「朝市ラーメン」、イチオシメニューも「朝市ラーメン」らしいので、朝市ラーメンで朝市ラーメンを注文してみた。
田舎の、昔ながらの食堂といった雰囲気の店内。提供される朝市ラーメンも、昔ながらの「ザ・中華そば」と言った風貌である。
ネギにワカメ、ゆで卵(味玉ではない)、ナルトが乗っている。朝市ラーメンの特徴は、チャーシューではなく、分厚い豚バラ肉が5枚も乗っている点だ。
スープは極めてアッサリした醤油味で、豚バラから出る脂でコクがプラスされる。
ストレートの細麺が、昔ながらの中華そばを演出していた。
ただ、加水率高めの麺を使っているのか、はたまた茹ですぎなのか、コシの無い麺は「おかもちから出された出前の延びたラーメン」を思い出さずにはいられない。
良くも悪くも「ザ・中華そば」という感想に終始する。
朝は10時からの営業で、スープが無くなり閉店となるらしい。大体15時頃には店仕舞いする日が多いらしく、ランチに利用できるのみとなってしまう。
朝市ラーメンは750円と、比較的リーズナブルな設定である。
気軽に仙台名物ずんだを!花笠だんご本舗
だんご屋というより、もち米を使った和菓子を広く扱う。赤飯やおにぎりなどもラインナップされているので、ホテルに持ち帰る簡単な食事として重宝しそうだ。
そんな花笠だんご本舗のショーケースの中に、仙台名物のずんだ餡を使った串だんごを見つけた。
機械で成形したと思われる、歯切れのよいだんごはシコシコ食感。
ずんだというものは、枝豆の粒感を残して擦るものだと思っていたが、花笠だんご本舗のずんだ餡は違った。
普通のあんこに例えるならば、「極めてこしあんに近い粒あん」といったところだろうか。必要最低限の粒感は残しつつも、半ペースト状になっている。
味は甘すぎず、男性でも食べやすいのが特徴だ。鼻からほんのりと枝豆の風味が抜けていくが、不思議とビールは欲しくならない。
1本120円と、手軽な価格で仙台を感じることができるので、おすすめだ。
ただ、屋台風な店舗ゆえ、営業が終わると解体されて店舗ごと消えて無くなる。さらに。営業時間も定まっていない様子で、お昼ごろなら確実とだけ伝えておこう。
仙台朝市・アクセス
JR仙台駅西口徒歩5分
営業時間は店舗による
日曜定休
朝市ラーメンや500円海鮮丼など食の宝庫「仙台朝市」に行ってみた・まとめ
「仙台のアメ横」と呼ばれる仙台朝市は、戦時中の空襲の被害が残る中、露天商が集まり「青空市場」と呼ばれたのが起源だ。
この歴史のある商店街は、昔ながらのレトロ感を残したまま発展しており、どこか懐かしさすら感じる。
「朝市」と謳ってはいるが、夕方まで営業している店舗も多い。規模の小さい商店街なので、観光の空き時間に訪れるのもおすすめだ。
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