北海道といえば、誰もが認める海鮮の王国であり、寿司を楽しむのが札幌旅行の醍醐味と言っても過言ではない。
ひとえに寿司と言っても、カウンターで食べる高級寿司から安価な回転寿司まで、スタイルは様々だ。
札幌界隈では、「トリトン」「花まる」「なごやか亭」が3大回転寿司として、人気となっている。
せっかく札幌に来てまで回転寿司か・・・。と思う気持ちも強いが、
「北海道の回転寿司はレベルが違う」
「本州のカウンター寿司より、北海道の回転寿司のほうがレベルが高い」
そんな声もちらほら聞こえてくる。
はたして、本当に北海道の回転寿司はレベルが高いのか?実際に訪れて検証してみることにした。
札幌市内の回転寿司は、車を有しない旅行者には厳しく、郊外店が多い。
駅から近いお店を探し、今回は駅から徒歩2分の場所にある「なごやか亭 発寒店」にお邪魔してきた。
ブログという媒体は、「先に結論を書く」といのがセオリーとされるため、この記事でもそれに習って、なごやか亭に訪れた感想を先に書こう。
「北海道の回転寿司はレベルが違う」なんて言葉に釣られて、旅行者が容易に回転寿司を訪れると、激しく後悔することになる。
その理由を詳しく見ていこう。
なごやか亭の外観と雰囲気/オーソドックスな回転寿司
なごやか亭は札幌周辺に9店舗あり、どこも同様のネタを扱っている。
その中でも、発寒店が駅の近くにあり、旅行者でも行きやすい。
店内はよくある回転寿司のそれで、レーンに沿ってカウンター席とボックス席がある、ごくありふれた作りである。
従業員は皆元気よく、とても気持ちよく接してくれる。寿司屋と言えば不愛想な板前が似合うが、なごやか亭の板前はニコニコしていた。
「なごやか亭」に行ってはいけない理由
「なごやか亭に行ってはいけない」などと書くと、まるで営業妨害のように感じるが、虚偽の内容ではなければ問題は無い。なので、包み隠さず全部お伝えしようと思う。
理由①ネタが他の回転寿司と違いすぎる
なごやか亭で帆立を頼むと、この写真のように肉厚のネタが出てくる。
帆立独特の歯ごたえがありつつも、口の中でスーッと溶けていくようなミルキーさもあり、なかなか良質の帆立を使っている。
生ほたて430円と、少々値段は張るが、この質とボリュームでは納得の金額だ。(写真は二皿分)
サーモンは冷凍輸入が基本ゆえ、個体差が少ない寿司ネタである。
つまりカウンターで食べる高級寿司店でも、100円の回転寿司でも、サーモンの質に差は少ないと言われている。(高級寿司でサーモンを扱っている店が少ないのはこの為だ)
したがって、100円の回転寿司ではサーモンばかり食べるのがコスパがいい。
ここ「なごやか亭」も、100円ではないが回転寿司である。
サーモンは190円と比較的安価(写真は二皿分)の部類ではあるが、厚みが凄い。本州で食べるそれの倍の厚さを越える。
サーモンは厚くなると甘みが増すのか、口の中で広がる脂の甘みが、「大トロサーモン」と間違えるほどの贅沢な逸品だ。
普通のサーモンを大トロサーモンだと錯覚してしまうなごやか亭で、実際に大トロサーモンを食べたらどんな感想を抱くのだろうか。
等間隔にサシの入った大トロサーモンも240円と安価である(写真は二皿分)。
サーモン特有の歯ごたえの中から、ジュワっと広がる脂の甘み。厚さも最高、脂のリも最高、コスパだって最高の大トロサーモンは、なごやか亭において必食ネタと言えよう。
これまでのなごやか亭の傾向から、ワンランク上のネタが出てくることは間違いない。
ならば、まぐろ中トロを頼めば、大トロ(に相当する何か)が出てくるのではないだろうか。そんな期待を胸に天然本まぐろ中トロ430円を頼んでみた。(写真は2皿分)
見た目はオーソドックスな中トロといったところだが、口へ運ぶとメキメキと頭角を現す・・・ことはなく、いたって普通の中トロのまま終わった。
しかしそこは中トロなので、歯を入れた瞬間のフワっとした食感や、脂が溶けて口の中に甘さが広がる感覚が最高だ。
赤身に毛が生えただけのものを中トロと偽って提供する店もある中、本物の中トロを、それもかなりの厚みで提供しているなごやか亭には脱帽である。
「なごやか亭」という回転寿司は、ネタのレベルが高すぎる。どのネタも良質なものが相当な厚さで提供されている。
それでいて価格設定は130円・160円・190円(全て税抜)と安価なものが約半数だ。
この価格でこれほどの寿司を食べるとなると、本州の回転寿司では厳しい。
ひょっとするとなごやか亭は、本州のカウンターで食べる高級寿司よりもネタの具合は良いかもしれない。
旅行者が容易な発想でなごやか亭に手を出すと、以後、地元でどんなにいい寿司を食べても満足できない体になってしまう。
だって、どんなに値の張った高級寿司よりも、安価ななごやか亭の寿司のほうがレベルが高く美味しいのだから。
理由②板前さんにビビる
なごやか亭には「こぼれシリーズ」というものがある。現在、甘エビとイクラの2種類のこぼれがあり、これがなかなかインパクト大である。
甘エビは430円で、これでもかと言うぐらいの甘エビが、まさにこぼれんばかりに盛られている。
なごやか亭のネタなので、当然、質はいい。みずみずしいプリっとした甘エビを肴に、酒をグイっと飲むのもいいだろう。
なごやか亭の名物ともなっている「こぼれいくら」は、軍艦からこぼれるまでいくらを盛った贅沢な一品だ。
お値段590円と少々お高めではあるが、北海道名物の高級食材いくらを、たっぷり堪能できる。
さて、この「こぼれいくら」は、実演ありと実演なしを選べる。
実演ありを選ぶと、目の前で軍艦の上にいくらを盛り付けてくれるのだ。もちろん、軍艦からこぼれるまで盛り付けてくれる。
実演が終われば、他の客からも自然と拍手が沸き起こり、一体感も体験できる。
この実演からもわかる通り、なごやか亭の店内は活気に溢れているのだ。従業員も皆、愛想がよく元気もよい。
旅行者が容易になごやか亭を体験してしまうと、「ムスッとした上から目線の大将が握る、これまでの寿司屋はいったい何だったのか?」と疑問に感じるに違いない。
やはり食べ物というのは、活気のある中で食べたほうが、より美味しさが増す。
旅先でこの活気を味わってしまっては・・・(以下略)
理由③ストレスに耐えられなくなる
少しでもいい寿司屋に行こうとすると、長い待ち時間に嫌気がさす。店頭のリストに名前を書いてから呼び出されるまで小一時間待つなんてこともザラだ。
ここ、なごやか亭も地元民が足繁く通う人気店で、平日にも関わらず、お昼時などは小一時間ほどの待ちが発生する。
しかしなごやか亭では、ネットで順番待ちをすることが可能だ。直接店頭のリストに名前を書かずとも順番待ちができるのはありがたい。
宿泊しているホテルの部屋でネットで順番待ちをし、表示された目安時間の頃合いを見て、出発すればいい。
ちなみに大通り駅から地下鉄東西線で終点の宮の沢駅まで約15分、宮の沢駅からなごやか亭までは徒歩2分だ。
旅行者が容易にこの順番待ちシステムを使ってしまえば、以後、リストに名前を記入してから長々と店頭で待たされる他の飲食店全てに、嫌気がさしてしまうだろう。
なごやか亭のその他メニューと価格
(130円)
玉子/ハンバーグ/揚げなす/いなり/ねぎサーモン
ツナサラダ/たこサラダ/つぶとびっこ和え/ネギ納豆
サーモンみぞれ和え/玉子メンタイサラダ/ネギハマチ
ネギまぐろ/エビマヨ/とびっこ/カッパ巻き
新香巻き/納豆巻き/玉子細巻き/かんぴょう巻き
たくあん巻き/梅しそ巻き/サバガリ中巻き
(160円)
たこ足/たこ頭/ゲソ握り/甘エビ/鮪ユッケ/サーモンユッケ
(190円)
サーモン/天然まぐろ/炙りトロさば/肉厚蒸しえび
やりいか/真いか/いか納豆/サーモン親子/海鮮宝石軍艦
鉄火巻き/梅たくあん細巻き/大人納たく巻き/えび天ロール
山わさびかんぴょう巻き/山わさび鉄火/山わさびカッパ
(240円)
真鯛/〆さば/トロサンマ/えんがわ/活〆ハマチ
大トロサーモン/炙りサーモン/炙りえんがわ/活たこ
寿司屋の漬けまぐろ/真いか柚子塩/真いか山わさび
大えび/いくら/かにみそ/カニサラダ
カリフォルニアロール/山わさび数の子
(280円)
生サーモン/トロハマチ/紅鮭すじこ握り/大えび山わさび
ほたて/煮穴子握り/炙りえんがわ焦がし醤油
炙り大トロサーモン/いぶりがっこチーズ細巻き
紅鮭すじこ手巻き
(330円)
天然本まぐろ赤身/数の子/活ホッキ/ズワイガニ
トロたく手巻き/生ハムチーズロール
えび天寿司/本まぐろ大トロ手巻き
(430円)
天然本まぐろ中トロ/翼乃鯖/生ほたて/活つぶ
厚切りうなぎ/煮穴子一本焼き/極上トロたく細巻き
(560円)
本まぐろ大トロ/ボタンえび
(660円)
生うに
こぼれ甘エビ…430円/こぼれいくら…590円
※当記事内の価格は全て税別
なごやか亭の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】北海道札幌市西区発寒6条9丁目17−10
【電話番号】011-661-2233
【営業時間】11:00~22:00
【定休日】無し
【キャッシュレス】JCB、AMEX、Diners
【アクセス】地下鉄東西線「宮の沢」駅6番出口徒歩2分
▶公式サイトはこちら
立地:★★★☆☆/札幌駅からは遠いが、最寄駅からは近い
コスパ:★★★★★/すこぶる良い
清潔度:★★★★★/とても綺麗
接客:★★★★★/とても良い
入りやすさ:★★★★★/ひとりでも入りやすい
札幌旅行で回転寿司「なごやか亭」に行ってはいけない3つの理由まとめ
なごやか亭は回転寿司でありながら、寿司のレベルが高い。
それこそ都内で同レベルの寿司を食べようものなら、3倍ぐらいの値段を取られるだろう。いや、ここまでレベルの高い寿司は、回転するか否かに関わらず都内には無いかもしれない。
なごやか亭の寿司を覚えてしまうと、もう後戻りは不可能。札幌旅行から帰った先々で、寿司屋に困ってしまうのは必至だ。
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