大阪駅(梅田駅)から徒歩10分弱。大阪キタの繁華街・堂山町に位置する「ひろかずや」は、18時に営業を開始し、翌3時(週末は翌7時)までお好み焼きが楽しめる人気の店だ。
堂山町は、東京でいえば歌舞伎町。福岡ならば中洲、仙台ならば国分町。札幌ではすすきのと言った位置付けだろうか。
「夜の街」なので、当然昼間は人通りも少なく、ひろかずやが夜型営業なのも頷ける。
断っておくが、ひろかずやは「深夜に他が営業していないから、消去法で選ぶお店」ではない。「夜まで待ってでも行きたいお店」なのだ。
細部にまで気を遣った、大阪における王道なお好み焼きを味わいたいのならば、ひろかずや以外に選択肢はない。
ひろかずやの外観と雰囲気/辿り着くまでが難関
大阪駅から堂山町へ向かう場合、左手にヘップファイブ(なぜか屋上に赤い観覧車があるビル)、右手にドン・キホーテを見て進むと分かりやすい。
高速が走っている大きな堂山交差点(常に警備員が交差点で誘導してるのですぐ分かる)を渡り、タバコ屋とホテルイルモンテの間の小道を入っていけば、そこはもう堂山町だ。
東京の歌舞伎町以上に雑多な街並みが広がる堂山町において、ひろかずやの外観がいかに安心感を与える小綺麗な造りか。
「掃き溜めに鶴」とは、まさにこの事である。
堂山町の入り口からひろかずやまで150メートルほど。外観自体は入りやすいのだが、ひろかずやに辿り着くまでに無数のキャッチを無視して押しのける必要があるのが面倒くさい。
無事にひろかずやの暖簾をくぐると、店内はコの字型のカウンター席が17席ほど。各席の前にピカピカに磨かれた鉄板が広がり、一番奥の鉄板では従業員がひっきりなしに入る注文の品を焼いている。
端的にメニューの説明をしてくれたり、酒をストップしたタイミングで水を出してくれるなど、とても気の利いた接客をしてくれる。
ひろかずやで実際にお好み焼きを食べた感想
僕は大阪に出向く度にひろかずやに通っているので、紹介したいメニューもたくさんある。今回はその中でも特におすすめの3品に絞って紹介しよう。
全てのメニューを従業員が作るのが大阪流だ。
お好み焼き「豚玉」はオーソドックスな優しい味
おにぎりと言えば鮭。菓子パンと言えばあんパン。と言った具合に、お好み焼きと言えば豚玉である。
豚肉をメイン具材に使用した、最もオーソドックスなお好み焼きだ。
ひろかずやの豚玉は、表面がサクっとし、中は軽やかでふんわりしている。
最上部に所狭しと並べられた豚肉はカリカリに焼かれていて、食感の違いを存分に楽しむことができる。
大阪のお好み焼きは、具材にコンニャクが入る店が多い。ひろかずやも例に漏れず、炊いたコンニャクを使用している。
繊維質なキャベツにコンニャクのプリっとした食感も、生地の食感と相まって、彦摩呂ならば「食感の五重奏やぁ~」と比喩するところであろう。
ひろかずやでは、濃くて甘めの特製ソースはもちろん、鰹節や青のり、マヨネーズに至るまで全て従業員がかけて提供してくれる。
僕ら客は、目の前に置かれたらただ食べるだけでいい。したがって、マヨネーズや青のりの抜く場合は、注文時に伝えておこう。
さらに、ソースや鰹節の類が客席には用意されていない。ソース多めなどの事項もちゃんと伝えておくのが吉だ。
ハマる旨さの「スジ煮込み」は必食すべし
大阪には牛スジを味噌ダレで煮込んだ「どて焼き」という料理がある。
串カツ屋はもとより、お好み焼き屋から居酒屋まで、あらゆる店のメニューにラインナップされているどて焼きが、ひろかずやには無い。
その代わりにラインナップされている「スジ煮込み」が、恐ろしく酒の進む悪魔のような肴であるため、くれぐれも飲み過ぎないように注意しよう。
どて焼きと異なり、スジ煮込みは醤油ベースのあっさりした味付けだ。
少し甘みを感じる味付けで、とても上品。さらに、スジ系煮込みでは珍しく、具材にキャベツを使っている点もポイントだ。
キャベツの自然な甘みと、柔らかく煮たスジの旨みが、味のバランスを整えている。
一緒に出される一味を振りかけて、甘みと辛さのコントラストを楽しむのもオツだ。
もっちり食感の「ミックス焼きそば」も美味
豚・イカ・海老がたっぷり入ったミックス焼きそばもおすすめだ。
ひろかずやの焼きそばは、もっちりとした食感の中太麺を使う。
キャベツなどの野菜はシャキッとした食感を残し、豚やイカなどのメイン具材はフワっと仕上げている。
お好み焼き同様、濃くて甘めのソースの香りが食欲をそそる逸品だ。
ひろかずやのその他メニューと価格
(お好み焼き)
豚玉、イカ玉、タコ玉…880円
エビ玉、スジ玉、牛玉…980円
ミックス玉(豚、イカ、エビ)…1,250円
デラックス玉(豚、イカ、タコ、エビ、スジ)…1,580円
(焼きそば・焼うどん)
豚…880円
ミックス(豚、イカ、エビ)…1,250円
デラックス(豚、イカ、タコ、エビ、スジ)…1,580円
(ネギ焼き)
豚、イカ、タコ…980円
エビ、スジ、牛…1,080円
ミックス(豚、イカ、エビ)…1,350円
デラックス(豚、イカ、タコ、エビ、スジ)…1,680円
(トッピング)
チーズ、キムチ、こんにゃく…280円
豚、タコ、イカ…380円
牛、スジ、エビ…480円
(一品料理)
単品キムチ…380円/豚キムチ…680円
イカキムチ…680円/海鮮豚キムチ…1,180円
スジ煮込み…650円
※当記事内の価格は全て税抜
ひろかずやの基本情報、営業時間とアクセス
【住所】大阪府大阪市北区堂山町8−21
【電話番号】0663158458
【営業時間】18:00~翌2:30(金土は~翌6:30)
【定休日】無し
【キャッシュレス】不可
【アクセス】各梅田駅から徒歩7〜8分
立地:★★☆☆☆/繁華街で治安が不安な場所
コスパ:★★★★☆/高くもなく安くもなく。味は最高
清潔度:★★★★★/店内は綺麗
接客:★★★★★/とても良い
入りやすさ:★★★★☆/堂山町そのものに入りにくい
深夜にお好み焼きなら堂山町「ひろかずや」朝7時まで営業まとめ
大阪駅(梅田駅)から徒歩圏内で、夜から明け方まで営業しているひろかずや。
辿り着くまでにキャッチを振り切るのが面倒くさいが、その甲斐あって、最高に美味しいお好み焼きが食べられる。焼けるまでの間は、スジ煮込みを肴にビールで時間を潰すといい。
飲んだ後の「〆ラーメン」ならぬ「〆お好み焼き」で、大阪を思いっきり堪能できそうだ。
コメント