サラリーマンの街、新橋において、他のビジネスホテルとは一線を画すお洒落なホテルを見つけた。
それが、SL広場からもほど近い、「カンデオホテルズ東京新橋」である。
シューズオフや小上がりソファ―、それに大浴場と、日本人が喜びそうなポイントはしっかり押さえていた。
その反面、デザインにこだわりすぎてビジネス利用に支障をきたすという、昨今の「お洒落ホテル」の欠点も受け継いでしまっている。
今回の宿泊レビューでは、大浴場についても詳しく紹介している(男湯)。しかし、大浴場での撮影はマナーの面で推奨されるものではない為、大浴場の写真のみ、公式サイトから引用した。
<宿泊日>2021年2月
<部屋タイプ>ダブル
<価格>7,030円(楽天価格)
カンデオホテルズ東京新橋の外観と雰囲気
新橋駅より徒歩4分、通称「赤レンガ通り」と呼ばれる通りに面している。オフィスビルや飲食店が立ち並ぶエリアに馴染み、あまり目立つことはない。
エントランスも路地を1本入った場所にあり、分かりにくいので、「俺のフレンチ」を探したほうが早いだろう。
フロントは客室階上で不便
カンデオホテルズ東京新橋は12階建てである。1階は飲食店が入っている為、エレベーターホールのみだ。
そして最上階には大浴場の「スカイスパ」がある。客室は2階から10階だ。
つまり、フロントは11階部分。
最近、客室階より高層階にフロントを置くホテルが増えてきた。
この手のホテルに共通しているのは、「利便性よりもデザイン性」ということだろう。
フロントのフロアに併設されるお洒落なカフェスペースは、窓からの眺望が良い。もちろん朝食会場も、このカフェスペースである。
そういったデザイン性の犠牲になってしまったのが、利便性だ。
朝の慌ただしいチェックアウトの時間に、エレベーターに2回乗らなければならないのは痛い。
さらに、習慣とは怖いものである。ちゃんと意識をしていないと、フロントに用事があるのに下のボタンを押してしまい、下りエレベーターに乗ってしまうのだ。
エレベーターは2機でとてもストレス
チャックイン・チェックアウトの時間はとても待たされる。「フロントが客室階上にある」為である。
単純に宿泊者全員が、エントランスとフロント階の最長移動をしなければならない。加えて、フロントと宿泊階の移動も必要で、エレベーターに2回乗る必要があり、とてもストレスを感じる。
フロント階以外へはルームキーが必要で、セキュリティ面では安心だ。
フロント階には喫煙室と自販機
カンデオホテルズ東京新橋は全室禁煙である。フロントのある11階には、2人も入ればいっぱいな規模ではあるが、喫煙室を完備している。
また、自販機はフロント階の11階と、大浴場のある12階に設置してあり、各種飲料がコンビニと変わらない価格で買うことができる。
11階の自販機はソフトドリンクのみで、コークオン対応となっている。12階の自販機にはソフトドリンクい加えてアルコール類も販売されていて、ナッツなどの簡単なつまみと共に買えるのは嬉しい。
カンデオホテルズ東京新橋で実際に宿泊した部屋
カンデオホテルズ東京新橋にはシングルルームが無い。最もランクの低い部屋でも15㎡の広さがあり、ダブルベッドだ。
シモンズ社のダブルベッドは日本人好みな堅さのマットレスで、睡眠の質は高い。
また、シューズオフを採用しており、高品質なスリッパでくつろぐことができる。
ベッド周りのコンセント/過去最多の数で便利
コンセントは小上がりソファ―に2つ、デスクに4つ、ベッドに2つ、キャビネットに2つ、壁面に2つ、ユニットバスに1つ、計13も用意されている。
これまで宿泊してきたどのホテルよりも豊富なコンセントの数に驚いた。
トイレ、風呂の水回り/狭いが優秀
ユニットバスはとても綺麗に保たれているが、部屋の広さの割に狭い。浴槽も深いタイプではあるが小さく、大浴場の利用をおすすめする。
水回りは優秀で、とても綺麗に保たれている。もちろん鏡には曇り止め加工が施されていた。
温度調節が容易なシャワーは水圧も申し分ない。
アメニティ/種類豊富で質も良い
ガラスの蓋が特徴的なキャビネットには、グラスとマグカップ、アイスペールまで用意されている。
ひとり客でもミネラルウォーターが2本置かれているのは、ありがたい。
木箱の中には、アメニティが入っていた。
アメニティは、ひとり客でも2人分が納められていた。
シェーバー、くし、歯ブラシ、コットン、シャワーキャップ、シェービングクリーム、スポンジ、綿棒と、必要なものは揃っている。
ユニットバスには据え置きボトルタイプのシャンプー類、洗面台には泡で出るタイプのハンドソープが置かれていた。
デスク周り・Wi-Fi/欠点だらけ
デスクは広く、大き目のパソコンも楽に広げることができる。チェアもキャスタ―付きで使い勝手が良く、長時間の使用にも向いている。
ただ、デスクの天板が曇りガラスで、パソコンのマウスが全く作動しない点は残念だ。タッチパッドを使っているなら問題ないが、マウス派の人はマウスパッドを持参するといいだろう。
デスクに有線LANが無いのもマイナスポイントである。
また、無料のWi-Fiもdocomoのスマホも電波が不安定で、ストレスを感じるレベル。
ビジネス利用はおすすめできない。
その他/小上がりソファーが特徴的
カンデオホテルズ東京新橋は全室に小上がりソファーが完備されているのが特徴である。ソファーに付属する丸テーブルも、ソファー側に引き込める造りとなっており、とても便利だった。
冷蔵庫は自分で電源を入れるタイプで、最初はOFFになっている。500mlのペットボトルを立てて入れることができない小さな冷蔵庫で、350mlの缶ビールが4本ぐらいと覚えていれば間違いない。
ズボンプレッサーは各客室階に1台ずつ用意されている。
残念ながら空気清浄機はフロント貸し出し品で、台数も限られていた。
家庭用とみられるエアコンは部屋ごとの個別設定なので、冷暖房が分かれる春や秋の季節でも問題なく過ごせそうだ。
カンデオホテルズ東京新橋の大浴場
カンデオホテルズ東京新橋には、最上階の12階に「スカイスパ」と呼ばれる大浴場がある。この項目は男湯の情報を綴っていく。
スカイスパは15時~翌11時まで宿泊客は無料で利用でき、回数に制限もない。
エレベーターのセキュリティに加え、スカイスパ入り口もルームキーが必要など、セキュリティ面がしっかりしている。脱衣所のロッカーも鍵がかかるタイプで、20口ある。
洗い場は6つほどあり、ロッカーの数からMAX20人と考えると、タイミングによっては数に不安が残るところか。
内湯は8人ほどでいっぱいと思われる規模で、湯温は熱め。
露天風呂も同程度の規模である。曇りガラスで視界は遮られてしまうものの、明るい時間は日の光が差し込み、開放感は感じることができる。
大浴場にはサウナも設置されている。都心のビジネスホテルの大浴場でサウナを有するのは珍しく、嬉しいポイントだ。
男湯にはドライサウナ、女湯にはミストサウナが設置されている。
脱衣場にはウォーターサーバーも設置されているので、こまめな水分補給を心がけよう。
サウナは深夜2時~6時までは利用できないので、注意したい。
カンデオホテルズ東京新橋の朝食
カンデオホテルズ東京新橋では、フロントのある11階に併設されているカフェスペース「カンデオプラザ」が朝食会場となる。
利用時間は7時~10時(LO9時30分)と短め。和洋折衷のビュッフェスタイルが1,800円(税別)で楽しめる。
サラダバーコーナーにはレタス、キャベツ、オニオン、コールスロー、ツナ、海藻、ポテトサラダ、ハムなど、種類豊富な野菜が揃っていた。ドレッシングもイタリアン、胡麻、柑橘系と幅広い。
洋食はスクランブルエッグ、ソーセージ、ジャーマンポテト、タコスミート、パン、カレー、日替わりスープなど、必要最低限といった印象か。ビジネスホテルの朝食におけるスタンダードといった品ぞろえだ。
和食はすごい。焼き魚、玉子焼き、やっこ、明太子、納豆、海苔、しらす、漬け物、お茶漬け、ご飯、味噌汁など定番は揃えてある。加えて肉じゃが、もつ煮など、ちょっと嬉しいメニューも揃う。
デザートにはフレッシュなフルーツやヨーグルト、コーンフレーク、ハチミツゼリー、プティングなど。
各料理は大皿が少しでも減ると、従業員がすぐさま整えにくるので、いつでも綺麗な状態を保っていて気持ちが良い。
また、連泊でも飽きないよう、日替わりメニューも取り入れている点も好感がもてる。
ただ、全体的に肉じゃがやもつ煮を含む汁物がぬるいのが残念だ。
カンデオホテルズ東京新橋の詳細・基本情報とアクセス方法
▶公式サイトはこちら
【住所】東京都港区新橋3丁目6-8
【電話番号】0355103400
【価格帯】(楽天トラベル目安)low6,800円、high11,000円
【IN/OUT】(プランにより異なる)15:00/11:00
【駐車場】無し
【アクセス】各線・新橋駅烏森口徒歩4分
大浴場あり!カンデオホテルズ東京新橋でお洒落ステイまとめ
最後に、カンデオホテルズ東京新橋の良い点・悪い点をまとめてみよう。
・お洒落な空間
・無料の大浴場にサウナ
・日本人に合わせた広い部屋
・電波事情
・フロントが高層階
以上のことから、カンデオホテルズ東京新橋のビジネス利用はおすすめできない。お洒落な広い部屋や大浴場でゆっくりくつろぐ。そんな使い方がベストではないだろうか。
コメント