「え?わざわざ京都で洋食?」
京都の老舗洋食店、グリル小宝を勧められた時の、僕の率直な感想だ。
しかし、京都という街を紐解いていくと、実に面白い。
京懐石におばんざい。京都に住まない外野からすれば、京都に対するイメージは完全に「和食の聖地」である。
ところが、内部では洋食文化が繰り広げられているというのだ。
明治後期から大正期に創業した洋食店が残存していたり、コーヒーの消費量が全国1位だったり、洋食における記録をいくつも残している。
京都の街を歩けば、パン屋の数に驚く。パンの消費量も神戸に次いで全国2位なのだ。なんと、フランスパンの発祥は京都である。
そんな予備知識を頭の片隅に残しながら、グリル小宝を訪れてみた。
後から調べて分かったのだが、グリル小宝は、食べログの百名店に選出されている。多くの人に愛される洋食店は伊達じゃない。どうりで、旨かったわけだ。
今回の記事では、「グリル小宝」の魅力を最大限にお伝えしていこうと思う。
グリル小宝の外観と雰囲気/閑静な住宅街に佇む昔ながらの洋食店
グリル小宝は、街の中心部からは少し外れた場所にある。
最寄は地下鉄の東山駅だが、駅から徒歩12分と遠い。京都駅前から出ているバスを利用するのが便利だ。「動物園前」もしくは「岡崎道」停留所から、それぞれ徒歩2分程度である。
店内は昔ながらの小綺麗な洋食店。茶色をベースとした落ち着く空間だ。気どらない雰囲気も、気軽に利用したい時にありがたい。
従業員も小ざっぱりとしたスマートな接客で、料理含め、バランス感覚に優れた洋食店ではなかろうか。
グリル小宝で実際にオムライスを食べた感想/旨いが量に注意
グリル小宝の人気メニューはオムライスらしい。それならばオムライスを食べるとして、せっかくなので他にも知人お勧めのハンバーグとチキンカツを注文した。
グリル小宝の料理は、旨いだけではない。とてもボリュームがある。ぜひ数人で訪れて、複数のメニューをシェアしていただきたい。
シックなドビソースが自慢のオムライスは「小」が普通サイズ
普通のオムライスの倍。つまり2人前はある大きさのオムライスが運ばれてきた。この大きさで、「大」「中」「小」あるうちの「中」である。
薄焼きの卵の中は、チキンの代わりに牛肉を使ったチキンライスだ。もとい、「ビーフライス」である。玉ねぎやグリンピースが食感のアクセントとして仕事をしている。
特徴的なのは、オムライスにかけられたソース。
デミグラスソースではなく「ドビソース」と呼ばれるグリル小宝のソースは、なんと18日間に渡って煮込む、手間暇をかけたものだ。
酸味は控えめでコクのあるビターな「ドビソース」。コクがあるのにしつこさはない、なんとも不思議なソースである。
チキンライスが優しい味に調整されていて、このインパクトのあるドビソースがコントラストを強調していた。
僕はどちらかというとシンプルな味付けの料理を好み、オムライスはデミグラスソースよりもケチャップ派である。
そんな僕が、心から旨いと感じたデミグラスソースのオムライスは、ここグリル小宝だけかもしれない。
肉汁あふれるハンバーグが絶品
ハンバーグにも、ご自慢のドビソースがたっぷりかかっている。
いざ入刀すると、げんこつのような塊りの中から肉汁があれよあれよと溢れてきて、しばらく止まる様子がないではないか。
口に運ぶ前からこんなにジューシーさが伝わるハンバーグを、僕は知らない。
もうこの時点でテンションがMAXである。
牛肉のコクや香りが濃厚。首都圏の通勤ラッシュよろしく、ぎっちり詰まった牛肉であるにも関わらず、舌触りが滑らかなのだ。
口の中でホロホロと崩れていく肉たちは、肉汁とドビソースが混ざり合った特製ソースと共に、喉へ流れていく。
恐らく肉の臭み消しのために和からしが添えられているのだと思うが、無用の長物である。
インパクト大の、骨付きチキンカツ
皿からはみ出してしまわんばかりのチキンカツは、なんと骨付き。
豪快に揚がったサクサクの衣の食感が、歯に美味しい。結局、肉は骨に接着している部分が最も旨いので、ナイフやフォークなんて洒落たものは使わずに、豪快にかぶりつくのが吉かと。
量が量だけに、少しでもヘルシーに胸肉を使っているのが嬉しい配慮だ。胸肉なのにパサついておらず、しっとり食感。まさか、揚げる前に蒸している?
グリル小宝のその他メニューと価格
オムライス小…680円/中…1,050円/大…1,570円
ヤサイライス…940円/チキンライス…1,050円
ハムライス…1,050円/ビーフライス…1,050円
ヤキメシ…1,050円/カレーライス…1,350円
ハヤシライス…1,350円/ライス…300円
ヤサイサンド…1,150円/タマゴサンド…1,150円
ミックスサンド…1,250円/ハムサンド…1,570円
ハンバーグサンド…1,880円
エビサンド…2,500円/カツサンド…2,600円
カニサンド…2,600円/トースト…300円
ビーフスパゲッティ…1,200円
チキンスパゲッティ…1,200円
エビスパゲッティ…1,350円
フィッシュフライ…1,420円
カキフライ(冬季限定)…1,880円
エビコキール…2,090円
カニクリームコロッケ…2,250円
エビフライ…2,500円/エビジクセル…2,700円
チキンカツ…1,420円/チキンテリヤキ…1,780円
チキンコキール…1,880円/チキンジクセル…2,290円
グリルチキン…2,290円/チキンソテー…2900円
トンカツ(ロース)…1,680円/トンカツ(ヘレ)…2,090円
ポークチャップ…2,190円/ポークジクセル…2,340円
ハンバーグステーキ…1,880円/ビフカツ(ロース)…2,600円
ビフカツ(ヘレ)…3,420円/ビーフシチュー…3,280円
ビーフテリヤキ…4,920円/シャトーブリアン…4,920円
ビーフジクセル…4,920円/ビーフステーキ(150g)…4,920円
ビーフステーキ(250g)…7,650円
おこさまランチ…1,350円
ランチ…2,130円/上ランチ…3,420円
※当記事内の価格は全て税込
グリル小宝の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】京都府京都市左京区岡崎北御所町46
【電話番号】0757715893
【営業時間】11:30~21:00
【定休日】火曜日・水曜日
【キャッシュレス】不可
【アクセス】
・京都市バス「動物園前」停留所徒歩2分
・京都市バス「岡崎道」停留所徒歩2分
・京阪電車「神宮丸太町」駅徒歩20分
・京都市営地下鉄東西線「東山」駅(1番出口)徒歩12分
▶公式サイトはこちら
立地:★★☆☆☆/京都駅から遠いのがネック
コスパ:★★★★☆/とても高い
清潔度:★★★★★/とても綺麗な店内
接客:★★★★☆/とてもスマート
入りやすさ:★★★★★/一人でも入りやすい
【京都】創業60年「グリル小宝」の老舗オムライスが感動レベルまとめ
京都の観光中は、なにかと和食中心になりがちである。
もし和食に飽きたなら、ぜひ京都駅からバスに乗って、グリル小宝を訪れてほしい。
18日間に渡って煮込まれたドビソースをかけた様々な洋食が楽しめる。人気のオムライスは小サイズが普通サイズなので注意しよう。
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