全国には、廻らない寿司屋で出てくるような品質の寿司を出す、回転寿司のローカルチェーンが存在する。
札幌の「なごやか亭」、金沢の「もりもり寿司」、千葉の「銚子丸」あたりが、価格と質のバランスではトップ3に入るのではないだろうか。(個人の感想w)
確かに全国展開している価格重視のチェーンに比べれば、価格は高い。だが、それに見合う以上の寿司を楽しむことができる。
今回紹介する、広島のローカルチェーン「すし辰」も、そのひとつである。
個人的には、千葉の銚子丸と3位争い。甲乙つけがたいので、同率3位としておく。
ただ、すし辰は(店舗によるのだろうが)オペレーションがとても悪い。回転寿司にしては提供時間が長いので、予定が詰まっている時は避けたほうが良い。
その辺りも含めて、レビューしていく。
すし辰の外観と雰囲気
すし辰は広島に数店舗を構えるローカルチェーンである。
観光客が訪れやすいのは、JR広島駅直結のエキエの店舗だろう。
店内は他の回転寿司とさほど変わらず、カウンター席とテーブル席がある。
醤油戦争勃発!関東VS関西
東の醤油と西の醤油が用意されていた。
東は辛め、西は甘めの醤油である。好みで使い分けれできるのは嬉しい。
すし辰でも回転寿司の例に漏れず、皿に2貫づつ盛られてくる。そこで、1貫は東の醤油で、もう1貫は西の醤油で試してみた。
個人的な好みだが、マグロやサーモンなどの脂が多いネタは西の甘口、白身や青魚などの淡泊なものは東の辛口が合うと思う。
すし辰のオペレーションが下手過ぎ問題
僕が訪れた時は、3人の板前さんが寿司を握っていた。どうやら、それぞれに担当のネタがあるようだ。
その為、1人が黙々と握っているのに、他の2人は手持ち無沙汰で談笑していたりする。
厨房の端で握った寿司を、逆サイドの端にある炙り場まで持って行き、炙る。炙り終わったら、握った場所まで戻り、ネギなどのトッピングを乗せる。そして逆サイド(炙り場側)に座っている客のところまで持って行くのだ。
これを同じ板前が一人でおこなうので、同線がぐちゃぐちゃになるばかりか、提供に時間がかかる。
炙り場側にも別の板前が手持ち無沙汰で立っているのだから、その板前に渡して炙ってもらえばいいし、炙り場側にもネギなどのトッピングを置いておくべきだ。
とにかく、オペレーションが下手過ぎて、提供に時間がかかる。急いでいる時はやめておいたほうがいい。
すし辰で実際に寿司を食べた感想/新鮮でボリュームあるネタばかり
オペレーションは下手だが、寿司は上手。すし辰の寿司はシャリが大きめなのに、そのシャリからはみ出す大きなネタを使う。さらに厚さもすごい。
すし辰側はバッテラとまぐろを推しているので、その2品と、個人的に美味しいと感じた3品、計5品をレビューしていく。
広島と言えば牡蠣!蒸し牡蠣の握りが最高!
せっかくの広島なので、蒸し牡蠣の握りを注文した。
身がすごく大きい。蒸してあるのに身は縮こまっておらず、ふっくらプリっとしている。まるで生牡蠣のような、絶妙な蒸し加減だ。
そして、酸味を抑えたポン酢が、濃厚な牡蠣の旨みを邪魔しない。
広島で牡蠣を食べるのは初めてだったのだが、回転寿司でこんなにレベルの高い牡蠣が食べられるとは思っていなかった。
1皿2貫で400円。
コスパ最強!天然小鯵の姿握り
程よい厚みと弾力は、潮の流れに鍛えられた強い鯵の証拠。
プリっとして臭みがなく、ほどよい甘みを感じることができる。丁寧な下処理の賜物だ。
驚くのがこのビジュアル。片身ずつ1貫が握られ、中骨も余すことなく皿に鎮座している。
この中骨は、豪華に見せる為の飾りではない。
料金はそのままで、中骨を揚げて骨せんべいにしてくれるのだ。
カラッと揚がった鯵が格別。ぜひ卓上の塩を振りかけていただこう。
1皿2貫で250円。
おすすめのまぐろはイマイチ
すし辰に出向く前に公式サイトをチェックしていると、まぐろを推していることが分かった。
推しのまぐろを注文していると、やはり厚みのある身で握ったものが提供されたのだ。
確かにボリュームはあるが、少し生臭さが気になる。そして、味に密度がないのだ。
鮮魚は個体差で当たり外れがあるのは仕方のないことだが、価格重視の回転寿司チェーンで食べられるまぐろと大差がない。
あえてすし辰で注文する必要性を感じなかった。
1皿2貫250円。
恐らく日本一旨いのでは?肉厚ばってら炙り
すし辰では、鯖の押し寿司「ばってら」も推している。
塩〆、酢〆で二段仕込みの手間がかかったものらしい。今回は炙りでいただく。
二段仕込みのおかげで、酢の加減が絶妙である。酸味もまろやか、炙ることで甘みも強調している。
炙った香ばしい香りと、脂の甘み、鯖の風味が一体となって、なんとも言えない贅沢品に仕上がった、まさに「推しの逸品」だ。
〆の風味を味わうために、醤油をつけずに食べるのをお勧めする。
1皿2貫300円。
メニュー名通りビックリする、びっくりねぎとろ
「びっくりねぎとろ」には、二度ビックリさせられるので、心臓の弱い人は要注意だ。
まず、圧倒的なねぎとろの量にビックリする。シャリより多いことは明らかなほどに盛られたねぎとろが、今にも崩れそうである。
上の方だけつまんで食べてみると、口の中に広がるまぐろの甘み。
「これまで感じたことのないまぐろの甘み」にビックリすることだろう。
そして、食感を残すように叩いている為、なめらかでありながら、弾力もしっかり楽しむことができる。
1皿2貫250円。
すし辰のその他メニューと価格
<130円>
いか沖漬け/焼き下足/サーモンサラダ/コーン軍艦
納豆軍艦/かに風サラダ/梅しそ巻き/かっぱ巻き
かんぴょう巻き/しんこ巻き/納豆巻き
<190円>
朝湯で海老/いか/いか生姜のせ/いか梅干し/いかごま塩だれ
いか土佐醤油/いか塩レモン/いか納豆/月見いかそうめん
サーモン/ねぎとろ/まぐろ山かけ/とろたく巻き/鉄火巻き
ツナサラダ/玉子握り/山芋梅肉巻き/厳選とび子/月見納豆
<250円>
生海老/甘海老/海老フライ巻き/肉厚ばってら/〆さば
生たこ/ゆでだこ/炙りサーモン/びっくりねぎとろ
まぐろ/えんがわ/活〆はまち/活〆真鯛/つぶ貝
生しらす軍艦/かに味噌軍艦/ほっき貝サラダ
<300円>
炙り海老チーズ/スーパーサーモン/炙りチーズサーモン
炙りスーパーサーモン/炙り柚子味噌サーモン
炙りサーモンレッド/炙りサーモンブラック/上まぐろ
紅ずわいがに山盛り握り/海鮮大名巻き/月見生しらす
<350円>
有頭赤海老/剣先いか/とろサーモン/極上中とろ/煮あなご
しゃこ/帆立貝柱
<400円>
炙りとろサーモン/とろ鉄火巻き/極上大とろ/白焼きあなご
うなぎ/活〆ひらめ/うに塩握り/いくら/うに軍艦
<500円>
生あなご/とり貝/赤貝
※当記事内の価格は全て税抜
すし辰の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】広島県広島市南区松原町1−2 ekie広島1階 ekie DINING
【電話番号】082-207-3308
【営業時間】11:00~23:00
【定休日】無し
【キャッシュレス】クレジットカード、交通系電子マネー
【アクセス】JR広島駅直結
▶公式サイトはこちら
立地:★★★★★/駅直結で便利
コスパ:★★★★☆/全体的に高い
清潔度:★★★★★/とても綺麗
接客:★★★★☆/感じがいいが、提供は遅い
入りやすさ:★★★★★/ひとりでも入りやすい
回転寿司「すし辰」はレベルが高いが、オペレーションに難あり まとめ
価格重視の全国チェーンで、シャリが透けて見えるペラペラのネタにガッカリした経験はないだろうか?
広島が誇るすし辰では、全てのネタがぶ厚く、食べ応えもすごい。鮮度のいい良質なネタを握ってくれる良店だ。
JR広島駅直結で、新幹線の待ち時間に気軽に利用できるのもポイントである。
今回、まぐろは残念な結果になったが、たまたまの個体差だと信じたい。それ以外のネタはどれもすばらしく、特にばってら炙りは逸品だ。
この価格でこの品質のばってらは、全国を探しても恐らくすし辰でしか出会えないであろう。
「すし辰と言えばばってら、ばってらと言えばすし辰」と言っても過言ではない。広島に出向いた際には、極上のばってらを、ぜひ試してほしい。
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