
を誇る路面電車、「広電(ひろでん)」が走る街、広島。
広島観光において、原爆ドームや宮島口へのアクセスに広電は欠かせない存在です。
「広電に乗ること自体が旅の目的」という方もいるほど、街のシンボルとして親しまれています。
ところが、路面電車に乗り慣れていない観光客にとって、広電の乗り方は難関。
僕が初めて広電を利用した時も、「切符売り場はどこ?」「どの扉から降りればいい?」など、戸惑うことが多すぎました。
そこでこの記事では、僕と同じように広電で迷わないよう、観光客が戸惑うポイントを徹底的に解説します。
特に、広電は2025年夏のJR広島駅の建て替えに伴う路線の変更という、最新かつ重要な情報があります。
予習をしなければ乗れない交通機関もどうかと思いますが、この記事を読めば、きっとあなたも、広電を完璧に乗りこなせるようになるでしょう。
路面電車「広電」で観光客が戸惑う3つのポイント
まずは、多くの観光客が迷ってしまう広電の独特なルールを、僕の体験談から3つに絞り込んで解説します。
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戸惑い1:切符売り場が見当たらない
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戸惑い2:条件によって降りる扉が変わる
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戸惑い3:乗り換えが複雑すぎる
路面電車「広電」の路線図
出典:広島電鉄公式サイト
国内最大規模の路面電車網を持つ広電だけに、路線は非常に複雑。
1号線~9号線の全8路線(4号線は忌み数の為欠番)あります。
観光客が路面電車で向かう先は、主に「八丁堀」「原爆ドーム(平和公園)」「宮島」の3つ。
JR広島駅からは2号線に乗っておけば、その3つ全てにアクセスできます。
【基本】広電の乗り方と支払い方法|切符は無くバスに近い
「路面電車」とは言っても、広電の乗り方は「バスに近い」と理解しておけば、戸惑いが減ります。
広電の運賃は一律
路線によって運賃が異なっていた広電ですが、2025年2月より、全線一律運賃となりました。
- 大人:240円
- 小児:120円
※大人:中学生以上
※小児:小学生
※1歳以上小学生未満:大人または小児1人につき3人まで無料。4人目以上は小児料金
※1歳未満:無料
広電で使える支払い方法
広電では、切符は存在しません。以下のいずれかの方法で支払います。どの支払い方法でも、後払いです。
現金
運転手または車掌のいる扉で支払い可能。おつりは出ませんので、運賃箱横に設置されている両替機を使います。
交通系電子マネー(Suicaなど)
降車時にタッチします。乗車時はタッチしませんので、注意してくださいね。
また、交通系電子マネーの読み取り機は、運転手または車掌のいる扉にだけ設置されています。広島駅の乗り場では、読み取り機を持った駅員がホームで待機していますので、どの扉から降車しても大丈夫です。
MOBIRY DAYS
広電で使える、独自の交通系キャッシュレス決済です。アプリをダウンロードし、QRコードを読み取って使います。
運賃が最大10%割引になる特典がありますが、チャージ式のため、普段から広電を利用しない観光客にはハードルが高いでしょう。
MOBIRY DAYSはどの扉にも読み取り機が設置されていますので、乗車時と降車時の2回、QRコードを読み取ります。
一日乗車券
デジタルシティパス
平日は10時~16時、土日は任意の6時間の間、乗り放題となります。大人440円、小児220円なので、往復で乗車するならお得になります。
※「広電西広島」~「広電宮島口」では利用できません。(宮島へは行けません)
→デジタルシティパスの購入はこちら
一日乗車乗船券
広電全線と、宮島口から宮島行きのフェリーが乗り放題となります。大人1,000円、小児550円で宮島訪問税(100円)を含みます。
広島駅営業センターや、車内で運転手または車掌から購入します。
また、宮島ロープウェイが500円引き(大人)になる特典もあり、宮島観光の際には、ぜひとも活用したいですね。
電車一日乗車券
広電全線が乗り放題となります。大人700円、小児350円で、一日乗車乗船券と同様に、広島駅営業センターや、車内で運転手または車掌から購入します。
広電電車乗車券(8・24時間)
広電全線が乗り放題となるデジタル乗車券です。旅のプランに合わせて8時間と24時間から選べます。
8時間乗車券は大人600円、小児300円。24時間乗車券は大人700円、小児350円です。
→広電電車乗車券(8・24時間)の購入はこちら
【車内】独特の降車ルールと信号待ちの足止め
広電の車内には、観光客を戸惑わせる独特なルールがあります。
車両にある降車ボタンの謎
バスの降車ボタンと同じものが設置してある車両があります。
公式の案内でも、「降りる時はボタンを押して運転手にお知らせください」とあります。
ですが、現在の広電は、全て各駅停車。通常はボタンを押さなくても問題はありません。
乗車用扉と降車用扉が存在する
広電では、現金や交通系電子マネーでの支払いが「運転手または車掌がいる扉」と制約があります。
そのため、公式ルールでは「運転手または車掌がいる扉」を降車用扉とし、それ以外を乗車用扉としています。
ただし実際には、MOBIRY DAYSで支払う場合、乗車用扉から降車することも可能です。
また、降車する人がいなければ、降車用扉から乗車するケースもあります。
降車後の信号待ち

広電の電停は道路の中央にあるため、降車後は、まず歩行者用の信号機が青になるのを待たなければなりません。
これは乗車時も同じで、信号待ちで電車を何本も見送ることがあります。急いでいる時の地味なストレスポイントです。
【難関】広電の複雑な乗り換えルールを理解する
出典:広島電鉄公式サイト
ここでもう一度、広電の路線図を見てみましょう。
茶色の四角で囲われた電停は、乗り換えが可能です。
乗り換えルール(基本)
広電の乗り換えは無料です。ただし、乗り換えをしないと目的地に着けない場合のみ乗り換えが可能となります。
乗り換えができないケース
- 今乗っている電車が目的地まで行く場合
- すでに通り過ぎた電停に戻りたい場合
現金、交通系電子マネー利用時は「電車乗換券」が必要
現金または交通系電子マネーで運賃を支払う場合は、運転士または車掌から「電車乗換券」を必ず貰ってください。
乗り換え後の電車でこれを提示すれば、運賃は不要になります。電車乗換券の有効期限は当日中です。
交通系電子マネーで乗り換える際は以下の点に注意。
運賃は乗り換え前の電車で支払います。乗り換え後の電車でも交通系電子マネーをタッチしてしまうと、再度料金が引かれてしまいます。
MOBIRY DAYS利用時は60分以内に乗り換え
MOBIRY DAYSの場合は、乗り換え前、乗り換え後の電車それぞれでQRコードを読み取ります。
データで処理されるため、乗換券は不要です。
ただし、乗り換え時間は60分に制限されています。それを超えると、再び運賃が引かれてしまうので注意してくださいね。
乗り換えで戸惑う電停の場所
乗り換え可能な電停は、路線が交差する交差点にある場合が多く、電停自体が上下左右に散らばって存在しています。
土地勘のない観光客は「どこに行けば次の電車に乗れるか」が分かりにくいのです。
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解決策: 電車を降りる前に、必ず運転士または車掌に乗り換え先の電停の場所を確認しましょう。
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重要ルール: 乗り換えは同じ電停名でのみ可能です。例え近くても、一つ先の電停に歩いて移動した場合は、乗り換えと見なされず、再度の運賃支払いが必要です。
とてもややこしいですが、「紙屋町東」と「紙屋町西」、そして「本通」の電停は、名前は異なりますが同じ電停として扱われ、徒歩での移動を含めて乗り換えが可能です。
市内線再乗車サービス
乗換とは少し異なりますが、MOBIRY DAYSで支払う場合のみ、市内線再乗車サービスが受けられます。
これは、降車から60分以内であれば、再び同じ電停から無料で乗車できるというものです。
簡単に言えば、途中下車サービスですね。
注意点は2つ。
- 一方通行となり、後戻りはできない
- 宮島線内(広電西広島~広電宮島口)では途中下車できない
この再乗車サービスには、回数の制限はありませんので、
広島駅を出発→八丁堀で降車しランチ→八丁堀で再乗車し原爆ドーム前で降車、原爆ドームを観光→原爆ドーム前で再乗車し、宮島へ
なんて使い方もできます。計3回乗車しますが、運賃は1回分とお得です。
乗車と降車の度にMOBIRY DAYSを読み取るのを忘れずに!
2025年以降の広電の変更点
出典:広島公式観光サイト
2025年夏、JR広島駅は建て替え工事を終え、路面電車の乗り場がある南口は大きく変わりました。
路面電車「広電」が、JR広島駅2階に直接乗り入れるようになり、JR線との乗り換えも利便性が高まっています。
さらに、2026年春には、紙屋町・八丁堀と、南区の比治山下・皆実町エリアを乗り換えなしで移動できる環状線が新設されます。
出典:広島電鉄公式サイト
以前の路線図↑
現在の路線図↓
出典:広島電鉄公式サイト
乗り場がJR広島駅2階に移設される前後の路線図を比べて分かる通り、移設後は広島駅を出発すると、直接稲荷町に接続します。
廃止された電停
猿猴橋町電停は、どの路線も経由しなくなるため、廃止されました。
路線が変わる電停
的場町電停・段原一丁目電停は、2026年春に新設される環状線に組み込まれます。
新設された電停
広島駅から出発する路線は、どれも的場町を経由せずに、直接稲荷町に接続する形に変更されました。
その為、広島駅→的場町→比治山下と経由していた5号線(広島港行)は、広島駅→稲荷町→比治山下経由となります。
それに伴い、稲荷町~比治山下間に新しい松川町電停が追加されました。
路面電車「広電」に乗る前に完全予習!運賃一律・駅乗り入れ後の乗り方を徹底解説まとめ
この記事では、広島観光に欠かせない路面電車「広電」について、初めて利用する方が戸惑うポイントと、2025年以降の最新情報を徹底的に解説いたしました。
最後に、広電を快適に乗りこなすための重要なポイントを再確認しましょう。
① 運賃と切符は明瞭に!:2025年2月より全線一律240円となり、運賃が明瞭になりました。切符は存在せず、現金または交通系電子マネーで後払いです。
② 乗り換えは「同じ電停名」で!:乗り換えは無料ですが、必ず同じ電停名で、かつ運転士や車掌に場所を確認してから降りるのが鉄則です。
③ MOBIRY DAYSで途中下車も!:キャッシュレス決済(MOBIRY DAYS)を利用すれば、「市内線再乗車サービス」で途中下車(60分以内)が可能です。このお得なサービスを最大限活用しましょう。
④ 最新情報に注意!:2025年夏のJR広島駅2階乗り入れ、そして2026年春の環状線新設など、路線図が大きく変わります。最新情報を予習しておけば安心です。
少しルールが複雑に感じるかもしれませんが、この記事で予習を完了したあなたはもう大丈夫です。広島の街を走る広電を、ぜひ快適に乗りこなして、観光をお楽しみください。





コメント
地元民よりコメントさせていただきます
①広島駅の乗り場は空気を読んで並ぶ
→空気を読まなくても、広島駅の乗り場には案内窓口があり、係員の方が常駐していますし、多客時には乗り場で係員が乗客の誘導・案内をしていたりもするので、わからなかったら係員に聞きましょう。
②乗車扉から降車する場合もある
→記事で挙げられた、乗車扉部分に降車用カードリーダー設置というのは、一部の形式の電車だけですので、注意が必要です。また、広島駅、広電西広島、紙屋町西など、降車の多い電停では、乗降の多い時間帯は、乗車扉の外で運賃箱を持って待ち構えている係員がいますので、どの扉からでも降りられます(参考…http://blog.moriy.net/?eid=1334465#gsc.tab=0 )。また、終点となる広電宮島口では、駅の出口に改札口があり、駅員が待機していますので、早朝・深夜を除き、電車を降りてから改札口で運賃の支払いを行います。
③広島市外(宮島線の一部)は区間運賃
→宮島線全体が区間運賃です。
④2号線の現金利用は整理券を取ろう
→9号線の江波まで直通する電車も整理券が要ります。
⑤乗車用扉と降車用扉が存在
→降車する人がいなければ、降車用扉からも乗車します。
⑥広島駅からは1・2・5・6号線が出発
→0号もあります。
⑦路面“電車”なのに切符は無し
→広電宮島口には券売機がありますが、コロナの影響で昨年春から使用停止中なので、現金かカードで乗ることになります。また、大型連休とか花火大会開催時とか、多客が見込まれる場合は、宮島口以外でも臨時で乗車券を売る場合があります。
地元の方からのコメント、大変うれしく思います。同時に、いろいろご指摘くださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
①広島駅の乗り場は空気を読んで並ぶ
この項目は半分ネタですので、読み飛ばしてください(笑)
②乗車扉から降車する場合もある
連接車は全て乗車用扉にも降車用リーダーが設置されているものだと思っていました。実際には連接車の中でも1000形だけなのですね。
記事は訂正してあります。
また、職員が臨時の運賃箱を用意しているくだりは、事前情報を何件も確認していましたが、実際に広島を訪れた際に自分で確認できなかった為、記事では割愛しました。
③広島市外(宮島線の一部)は区間運賃
これは完全に僕の認識間違いです。広島駅-広電宮島口の2号線全体の呼び名が「宮島線」なのだと思っていました。
記事は訂正してあります。
④2号線の現金利用は整理券を取ろう
広電の公式サイトによると、整理券が必要な場合として2号線が紹介され、9号線の名前は出てきません。
整理券の目的が「異なる料金体制を整理する」事なので、YYさんの仰る通り、9号線にも整理券制度が存在していると想像できます。次回、広島を訪れた際に確認したいと思います。
⑤乗車用扉と降車用扉が存在
広電の公式サイトでは「降車する人がいなければ降車扉からも乗車できる」といった内容の記述が確認できませんでした。こちらも次回、広島訪問時に確認したいと思います。
⑥広島駅からは1・2・5・6号線が出発
1号線から9号線まで。予備知識を携えて広島へ出向いたはずなのに、いきなり0号線の電車がやってきて慌てたものです(笑)
後から調べたところ、車庫へ帰る臨時的扱いの電車であることに加え、公式の路線図にも0号線の記載が無いことから、記事では割愛しています。
⑦路面“電車”なのに切符は無し
コロナ禍での広島しか経験がないので、繁忙期には切符が存在することを初めて知りました。こちらも次回訪問時の宿題とさせていただきます。
②は、広島駅で午後9時までに降りると確認できます。紙屋町西では、平日午前7時くらい~午前10時、土休日午前10時~正午まで、広島駅・広島港行きの乗り場でやっています。横川駅は平日朝の通勤時間帯でやっています。西広島は、休日を含めた朝夕を中心にやっています。五日市は、平日の朝夕の通勤時間帯に行っています。
④は、白島~江波の直通が、早朝や深夜にしかないので難しいですね(ただ、八丁堀の広島駅行きおよび白島線の白島行きの乗り場には整理券の機械があるはずです。)。
⑤は、暗黙の了解みたいなものなので、ホームページには記載ないです。
⑥0号線というのは、2001年に行き先表示を現行のデザインに改めた時に付け加えたもので、それ以前は番号なしでした。地元民以外にはわかりにくく、改悪だと思っています。
詳しくありがとうございます。次回の広島訪問が楽しみになってきました(笑)
しかし、ここまで初心者泣かせの「公共交通機関」は、僕は初めてでした。せっかくの観光資源でもありますので、もっと使いやすくなるといいですね。