千葉のターミナル駅でもあるJR千葉駅の西口から徒歩1分、もはや駅前ローターリーの中にあるといっても過言ではない、老舗洋食店「ビストロえびすや」。
市内に3店舗ある「えびすや」は、幸町店が孤独のグルメで取り上げられ、一時騒然となった。
幸町店の姉妹店…もとい、JR千葉駅西口にあるビストロえびすやが一番古く、本店のような位置付けである。
五郎さんも注文していた「元祖にんにくスープ」が名物のビストロえびすや。パスタやピザがラインナップされているメニューからもわかるように、気軽にイタリアンが楽しめる。
ところが、ビストロえびすやでは、ソース類に異常なまでのこだわりを持っており、その辺りはフレンチ寄りだ。
どの料理も、味わったことのない独特なソースで楽しませてくれる。そして、とても美味。
今回は、より気軽に利用できるよう、ビストロえびすやのランチを紹介しようと思う。
ビストロえびすやの外観と雰囲気/いろいろと残念
ビストロえびすやのあるJR千葉駅西口は近年、再開発が進んでいる。その割には寂しい駅前で、とても千葉県のターミナル駅とは思えない風貌だ。
例えるなら「街」ではなく「町」。とにかく廃れている。
ビストロえびすやの歴史は古く、恐らく40年以上、同じ地で営業しているのではないだろうか。
しかも、JR千葉駅西口は最近できた改札。数年前まで駅前でも何でもない、「町」すらでもなく「村」状態だった。
そのような立地にも関わらず、長きに渡り営業し、さらに姉妹店を2店舗増やしている。
この事実こそが、ビストロえびすやの料理がどれだけ美味なのかを物語っているではないか。
ビストロえびすやにしてみれば、突如店の前にターミナル駅の改札ができたのだから、こりゃ儲けもんである。
店内はお洒落だが圧迫感あり
ビストロえびすやの店内は他のイタリアン同様、お洒落な空間である。
しかし、狭い店内に無理やり30席を詰め込んでいるせいか、隣のテーブルとの距離が近い。ここまで狭いと、もはや相席レベルだ。
人気店ゆえ、ほぼ満席状態なのも、圧迫感を出している。
男性はとても入りにくい
客層は女性客がメインで、優雅にランチを楽しむ老夫婦が少し。サラリーマン世代の男性は少ない。それゆえ、特にサラリーマン世代のおひとり様にはハードルが高い。確実に浮く。
手が回らない店内
厨房には2人、ホールには1人、従業員がいる。
オープンと共にほぼ満席になることを考えると、2人で30人分の料理を作り、1人で30人の注文を受け料理を運び会計をする。
確実に手が回っていないのだ。メイン料理が運ばれてくるまでに40分待つこともある。
テーブルには食べ終えた皿がいつまでも残り、客席から丸見えの下げ場にも食器類で溢れかえっている。
回転率を上げようとして席を詰め込んだ結果、逆に回転率が下がってしまった印象だ。
それならば、席数を半分にした方が、料理提供も早まり、回転も速くなる。さらに客席が近いことによる圧迫感もなくなり、客にとっては都合が良いと思うのだが…。
人気のオムライスは避けるべし
ビストロえびすやは、元祖にんにくスープと並び、オムライスも有名だ。
しかしオムライスは手間がかかるらしく、13時以降にならないと作れないらしい。
つまりオープンの11時30分に入店すると、実に90分待ちということになる。
それならばランチメニューにオムライスを含めなければいいのでは?などと老婆心で思ってしまう。
狙うなら12時30分~がおすすめ
ビストロえびすやのオープンは11時30分だ。オープンと共にほぼ満席になるが、店の外で待ち列ができることは無い。
JR千葉駅西口は廃れたオフィス街であり、来店する客達の昼休憩時間も限られている。オープンとともに一巡目で入店できない場合は、そそくさと他の店に行ってしまうのだ。
つまり、オープンとともに一巡目で入店した客が食事を終えて退店する時間、すなわち12時30分以降ならば、店内も空いている。
手が回らない故の不快感も感じることなく、優雅なランチを楽しむことができる。
休日は2部制なので注意
平日はランチタイム中ならば、好きな時間に出向いて空席があれば座れる。
しかし休日はランチタイムが二部制となるので注意したい。
それぞれ90分制で、11時30分〜の回と13時15分〜の二部制だ。
水がぬるい問題
よくあるイタリアンのそれのように、お洒落な瓶に入った水が客席に置かれる。
この水がなぜか常温で、生ぬるい。せめてグラスに氷がほしいものだ。
客に無料で水を出すなんて、日本独特の文化。本場のイタリアでは水すら有料なのだから、それに対して文句を言うのもお門違いかもしれない。
だが僕は冷たい水が好きだ。有料でもいいから冷たい水を出していただきたい。
ビストロえびすやで実際にランチを食べた感想/どれも美味
日替わりのメインディッシュが楽しめる「スタンダードランチ」を試してきた。
スープ、サラダ、パン(またはライス)、ドリンク、デザートと盛りだくさんの内容で、1,400円だ。
スープは+600円で元祖にんにくスープに変更できる。
ランチとしては少々お高いと思うかもしれないが、本格的なイタリアンが楽しめると考えれば、コスパは高い。
サラダは特製ドレッシングで
まずはサラダが提供される。
ビジュアルはなんら特徴のない葉物を中心としたサラダなので、写真は割愛しておく。
特徴的なのはドレッシングである。見た目オレンジのドレッシングは、胡麻がベースでコクのある、一風変わったもの。
とても美味なのだが、これまでに食べたことの無いドレッシングの味で、なんとも形容し難い。
このように、ビストロえびすやでは、各料理に使うソースがどれもすばらしい。
お待ちかね!元祖にんにくスープ
ビストロえびすやの代名詞とも言える、元祖にんにくスープが運ばれてきた。
わざわざ「元祖」と謳っている点に注目してほしい。
あまりの美味しさに、千葉ではビストロえびすやのにんにくスープを真似する洋食屋が後を絶たない。
そこで、あえての「元祖」なのである。
グツグツと沸いたスープからは、香ばしいにんにくの香りが漂い、食欲をそそる。
ビストロえびすやの元祖にんにくスープは、コンソメベース。にんにくの香りがガツンと効いているにも関わらず、食後の息はにんにく臭が気にならない、全くもって不思議なスープだ。
具材はスライスにんにくとパン。それに生卵が落とされている。
さて、元祖にんにくスープは、この生卵をいかに育てるか、まるで育成ゲームの如し逸品である。
最初から黄身を割り、かきたま風スープにするのもアリ。アツアツのうちに生卵に幾度もスープをかけ、固まるのを待つのもアリ。
この方法だと、白身は適度に固まり、なんとも言えない幸福感が。
セットで提供されるパンを浸して食べるの美味である。緑色のガーリックバターが塗られたガーリックトーストを追加注文し、それを浸すのもおすすめだ(孤独のグルメで紹介されていた食べ方)。
プラス料金になってしまうが、元祖にんにくスープはぜひ味わってほしい。
日替わりメインディッシュ
この日のメインディッシュは「チキンとハムとモッツァレラのフライ(うろ覚え)」だった。
ビストロえびすやはイタリアンとは言っても、なかなか庶民的な洋食屋だ。そんな庶民的な店で、ここまでレベルの高い料理が食べられるとは、驚きを隠せない。
鶏肉とハムとチーズがまるでミルフィーユかのように層になっていて、口の中でほろほろと別れていく食感が楽しい。
ナイフを入れただけで分かる程に、サクっと揚がったフライ。しかし、ナイフで圧し潰されることなく、綺麗な断面も楽しめる。それでいて柔らかいのだ。
酸味が控えめのタルタルソースも、ビストロえびすやの例に漏れず、これまで味わったことのない独特なタルタルソースだった。
メインにも劣らず、付け合わせの野菜の存在感も半端ない。
れんこん、さつまいも、人参、カリフラワー。グリルされた4種の野菜が楽しめる。
甘みを強く感じる人参は、恐らくグラッセされているし、レンコンは恐らく蒸してから焼いている。
付け合わせの野菜ひとつひとつの下ごしらえを変えているあたり、仕事が丁寧だ。
ビストロえびすやのその他メニューと価格
パスタランチ…1,400円
(日替わりパスタ・スープ・サラダ・ドリンク・デザート)
オムライスランチ…1,500円
(オムライス・スープ・サラダ・ドリンク・デザート)
ハンバーグランチ…1,750円
(ハンバーグ・にんにくスープ・サラダ・ドリンク・デザート)
国産牛ステーキランチ…2,500円
(ステーキ・スープ・サラダ・ドリンク・デザート)
休日ランチ…1,650円
(前菜3点・スープ・ブルスケッタ・パスタorピザorオムライス(+100)・デザート・コーヒー)
休日は「休日ランチ」「ハンバーグランチ」「ステーキランチ」のみ
※当記事内の価格は全て税込
びすとろえびすやの基本情報、営業時間とアクセス
【住所】千葉県千葉市中央区新千葉1丁目7−13
【電話番号】043-246-6637
【営業時間】11:30~13:30、18:00~22:00(日21:00まで)
【定休日】月曜日
【キャッシュレス】JCB、AMEX、VISA、Master、Diners
【アクセス】JR千葉駅西口徒歩1分
▶公式サイトはこちら
立地:★★★★★/駅前で便利
コスパ:★★★★★/レベルが高くリーズナブル
清潔度:★★★☆☆/綺麗だが、テーブルの食器が気になる
接客:★★★☆☆/丁寧だが、手が回らない場面も
入りやすさ:★☆☆☆☆/男性一人は入りにくい
ランチは12時半を狙え!ビストロえびすや元祖にんにくスープ まとめ
普段なら「旨い」と綴るこのブログも、今回ばかりはお洒落さに合わせて「美味」という表現を用いてみた。
その表現の通り、どれも仕事が丁寧な繊細な料理ばかりで、食に楽しみを与えてくれる。
日替わりメニューに関しては今回のレビューはあてにならない(日替わりだから)が、元祖にんにくスープは必食だ。
にんにくが香ばしく食欲をそそるのに、食後の臭いは気にならないという、これまで味わったことないスープをいただける。
サラダから付け合わせまで全てが美味で、ランチとしては少し予算オーバー気味の価格も納得できるものだ。
ただ、オープンと共に出向くと嫌な面も感じることになるため、12時30分以降に、すこし遅めのランチで利用してほしい。
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