仙台名物の「笹かま」が人気の阿部蒲鉾店。
JR仙台駅から徒歩5分の場所にある本店では、地元民のソウルフード「ひょうたん揚げ」が食べ歩きできると言う。
仙台に住む友人達にリサーチをかけたところ、「ひょうたん揚げ」は、学校帰りの食べ歩きおやつとして定番なのだとか。
地元に根付いたソウルフードと聞いては、試さずにはいられない。早速食べ歩きをしてきたのでレビューしていこう。
阿部蒲鉾店本店の外観と雰囲気
仙台駅前のアーケード付商店街「クリスロード」の一角に、洒落た佇まいの阿部蒲鉾店本店を見つけた。
百貨店のように品のある店内では、名物の笹かまを販売している。1枚1枚、個包装になっているので、お土産にも最適だ。
仙台ではあらゆるメーカーが笹かまを製造販売しているので、実際に食べて比較している記事も参考にしてほしい。
阿部蒲鉾店本店で実際にひょうたん揚げを食べた感想
さて、阿部蒲鉾店本店の入り口脇で販売していた「ひょうたん揚げ」を購入して、まず最初に思ったことは、「ん?アメリカンドッグ?」である。
コンビニで販売されているアメリカンドッグより、やや固めの甘い衣で、中には丸く成形された蒲鉾が入っている。
そう。「ひょうたん揚げ」とは、ソーセージではなく蒲鉾が包まれたアメリカンドッグなのだ。
ケチャップは2種類。通常の甘いケチャップは渦巻き型に、辛いケチャップは横シマ型にかけてくれる。
1本で2つ玉が連なるように刺さっているので、片方は通常のケチャップ、もう片方は辛いケチャップにすることも可能。ただ、辛いケチャップはそうとう辛いので、子供に買い与える時は注意したい。
早速揚げたてをいただいてみよう。
蒲鉾店で製造された蒲鉾が入っているわけだが、蒲鉾の風味は弱い。というより、衣やケチャップの主張が強すぎて、蒲鉾の存在感が弱いのだ。
「蒲鉾とアメリカンドッグの衣の組み合わせは美味しいのか?」なんて心配は杞憂である。基本的に衣とケチャップの味しか感じないのだから、不味いわけがない。
かと言って特別旨いわけでもなく、「ジャンクフードってこんなもんだよね」と言ったところだろうか。
そして完食し、2回目は無いかな?という結論に達した。コンビニでアメリカンドッグを買えば間に合ってしまうのが欠点ではなかろうか。
ひょうたん揚げは1本250円(税込)。コンビニでアメリカンドッグを2本買ってもお釣りがくる。
阿部蒲鉾店と言えば、笹かまが笹かまと言う名前になった、その名付け親でもある。全国的にも名の知れた蒲鉾メーカーだ。
その蒲鉾メーカーが、よくも自ら蒲鉾の味や風味を殺してしまうような物を作ったなぁ…。
阿部蒲鉾店本店の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】宮城県仙台市青葉区中央2丁目3-18
【電話番号】0222217121
【営業時間】10:00-18:30
【定休日】無し
【キャッシュレス】店内はクレジットカード可
【アクセス】JR仙台駅徒歩5分、地下鉄広瀬通徒歩2分
立地:★★★★☆/駅から徒歩圏内
コスパ:★★★★☆/ジャンクフードにしては高め
清潔度:★★★★★/とても綺麗
接客:★★★★★/感じ良く丁寧
入りやすさ:★★★★★/ふらっと寄りやすい
これでいいのか?阿部蒲鉾店“ひょうたん揚げ”に思うこと まとめ
「ひょうたん揚げとは、ソーセージの代わりに蒲鉾が入ったアメリカンドッグ」
たったこれだけの事を、すでに1,400文字もだらだらと書いている。しかも、若干ディスり記事になってしまったが、素直に言おう。ひょうたん揚げは旨い。
多い日で4,000本も売れるひょうたん揚げは、「仙台市民のソウルフード」として偽りなく機能しているに違いない。
ただ、80余年もの間、仙台名物「笹かま」に寄り添ってきた蒲鉾メーカーが、主力商品であろう蒲鉾の良さを打ち消してしまうような商品を生み出してしまった。
皮肉なことに、それが今では「仙台の新名物」だとか「仙台のソウルフード」などと、もてはやされてしまっている。
旨いものを食べていながら、一抹の寂しさを感じてしまったのは、先にも後にも、この「ひょうたん揚げ」だけである。
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