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【原爆ドーム前】世界遺産『原爆ドーム』へ。事前知識と「ピース写真は不謹慎か」の問い

この記事は約8分で読めます。

原爆ドーム

広島の観光地で、誰もが真っ先に思い浮かべる原爆ドーム

世界で初めて原子爆弾が落とされた場所で、その痛々しい被爆の姿を知ることができる、とても貴重な建物です。

この建物を前にすると、きっとあなたも目を塞ぎたくなるような悲惨な光景に心を動かされるはず。

楽しい気分になる観光地ではないかもしれませんが、僕はこの場所を「ぜひ一度は訪れるべき施設」だと強く感じています。

なぜなら、この建物の姿は、知識があるほど深く、そして強烈に心に訴えかけてくるからです。

この記事では、原爆ドームを訪れる前に最低限知っておきたい歴史的背景や、現地に立って初めて抱く疑問への答えを、僕の視点から解説します。

流し読みでも構いません。現地へ向かう前の予習として、ぜひ活用していただければ幸いです。

<原爆ドームは、こんな人におすすめ!>
①あまり観光の時間が取れない人
②戦争の悲惨さを深く知りたい人
③歴史好きな人

原爆ドーム平和記念公園の中にあります。平和記念公園には他にも平和記念資料館おりづるタワーなどの施設もあり、同時に周ると効率が良いですよ。

<最寄り駅・原爆ドーム前駅>
JR広島駅から路面電車「広電」で15分
<JR広島駅から往復含む観光時間目安>
1時間(原爆ドーム単体の場合)
3時間(平和記念公園内の他施設も観る場合)
<交通費含む観光費用目安>
500円(原爆ドーム単体の場合)
2,000円(平和記念公園内の他施設も観る場合)
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原爆ドームの見どころ・観光ポイント|被爆の姿をそのまま残す世界遺産

原爆ドーム

原爆ドームは、被爆当時の姿をそのまま保存している施設です。被爆による火災で全焼したままの姿を柵の外から見学することになるため、入場料などは存在せず、24時間いつでも無料で見学できます。

ここでは、外観から読み取れる歴史的な意義と、この地を訪れるべき理由となる見どころを3つご紹介します。

見どころ①被爆当時の姿をそのまま残す保存の経緯

戦後、広島県物産陳列館の残骸は、頂上の円盤の形から「原爆ドーム」と呼ばれるようになり、復興が進むにつれて存廃の議論が活発化しました。

当時は「戦争の悲惨さを忘れないため残す」とした保存派と、「危険であり悲惨な記憶を呼び起こすから解体すべき」という解体派に二分され、議論は平行線を辿ります。

被爆から21年が経った昭和41年にようやく広島市議会で保存が決議され、外観を変えずに崩壊を防ぐための工事がおこなわれました。

被爆より50年となる平成7年に国の史跡、その翌年にユネスコ世界遺産へ登録され、今もなお、人類史上稀に見る悲劇の証人として、様々な国籍の人が見学に訪れています。

見どころ②爆心地から160mの至近距離で起きたこと

日清戦争以降、軍都として発展した広島。その経済的な拠点として建設されたのが、広島県物産陳列館でした。

しかし、昭和20年8月6日午前8時15分、わずか約160メートルという至近距離で原子爆弾が投下されます。

爆発後、建物はわずか0.2秒で熱線に包まれ、地表温度は3,000℃に達しました。

その0.8秒後には、秒速440メートル以上の衝撃波を伴う爆風が襲いかかります。

音速以上の爆風は35トンもの爆風圧(1㎡あたり)となり、壁は崩れ、窓ガラスは溶け、奇跡的にドーム部分だけが残存しました。

建物内にいた職員約30名は全員即死したとみられています。これだけの出来事が、爆発からわずか1秒以内に起きたわけです。

見どころ③短時間でサクッと見学できる利便性

原爆ドームは、柵の外から見学するのみのため、10分もあれば見学を終えることができます。

しかし、見学の真骨頂は、その場を去ってから。

帰路の途中、ホテルの部屋で、そして自宅の居間で、ぜひとも目に焼き付いた原爆ドームの姿を思い出してみてください。

僕自身も、訪れた後もずっと、この場所で何があったのかを考え続けました。

短時間で「負の世界遺産」を体験できるからこそ、忙しい旅程の中でも立ち寄りやすく、その後の時間をかけて戦争の悲惨さについてじっくりと考えるきっかけにすることができます。

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原爆ドームの豆知識・知っトク情報|ガイドブックに載らない深掘り知識

がれきの山

原爆ドームは、単に戦争の恐ろしさを伝える建物というだけでなく、その保存や存在自体が、日本の法律や社会に影響を与えてきた複雑な歴史を持っています。

この項目では、原爆ドームをより深く理解するために、ぜひ知っておいてほしい深掘りした知識を3つご紹介します。

豆知識①法律をも変えた世界遺産への登録経緯

平成4年、日本政府が世界遺産条約を受諾した際、原爆ドームを世界遺産候補とするための署名が全国で165万以上も集まりました。

当時、世界遺産推薦の条件として「文化財保護法の適用を受けていること」が必要でしたが、歴史の浅い原爆ドームは適用外でした。

しかし、署名運動の大きな盛り上がりを受け、政府は平成7年に文化財保護法に基づく指定基準を改正。

原爆ドームを国の史跡として文化財に指定し、世界遺産への推薦を可能としたのです。

原爆ドームは、国民の強い願いが法律を動かし、世界遺産登録へと繋がった珍しい例と言えるでしょう。

豆知識②「破壊されたまま残す」指定文化財の弊害

世界的にも貴重な建物として国の史跡に指定された原爆ドームですが、その指定が保存工事において特殊な弊害を生んでいます。

原爆ドームの保存工事は、「破壊された建物を破壊されたまま残す」という特殊なもの。

例えば、崩壊したままの建物に耐震という概念がないため、耐震強度計算はあくまで理論上の数値に基づくこととなり、常に崩落の危険性を抱えています。

さらに、国の史跡は地盤も含めて文化財と見なされるため、地盤から切り離す免震装置の配置も難しいのです。

どんな小規模な修復であっても国の許可が必要なのも、指定文化財の弊害のひとつ。広島市の意向だけで柔軟な対応ができないのが現状なのです。

豆知識③全壊しなかった奇跡的な理由

爆心地からわずか160メートルという至近距離で被爆したにもかかわらず、周辺の建物が全壊した中で原爆ドームのドーム部分が残ったのはなぜでしょうか。

専門家の調査により、二つの偶然が重なったことがその理由だと推測されています。

①至近距離であったため爆風の影響が真上からに限定された
→耐力の弱い屋根を中心に崩れ、厚く作られていた側面の壁は完全な倒壊を免れた

②ドーム部分の構成材に、建物の本体に使われている鉄よりも融点が低いが使われていた
→この銅が、爆風到達前の熱線の段階ですでに融解していた影響で、爆風が通過しやすい環境となり、厚く作られていた側面の壁は完全な倒壊を免れた

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原爆ドームでの記念撮影は不謹慎か|僕が抱いたモヤモヤの正体

僕が原爆ドームに訪れた時、修学旅行の学生が原爆ドームを背景に、右手でピースサインを作り記念撮影をしている場面に遭遇したのです。

一瞬、「原爆ドームがどのような場所なのか、学校で教えないのだろうか?」とモヤモヤした気持ちを抱きました。

しかし、この疑問を頭の片隅に残したまま、僕は広島を後にし、この記事を書きながら改めて考え直すことにしたのです。

そして、不謹慎だと思う気持ちは、「戦争について考える機会」を奪う結果になるのではないだろうか、という結論に至りました。

平和記念公園は、春には花見に使われるなど、観光資源であると同時に広島市民の憩いの場としても機能しています。それは不謹慎なのでしょうか?

最も大切なのは、「戦争とは何か」を考えるきっかけとして、原爆ドーム(平和記念公園)の地を踏むことです。

ピースサインをした学生も、平和記念資料館で、あるいは帰路で、大小はあれど何かを感じたはず。

「来てくれるな」と言わんばかりに不謹慎だと一喝してしまうことは、その考える機会を奪うことになりはしないでしょうか。

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原爆ドーム付近でオススメの飲食店

原爆ドームのある平和記念公園は、広島市屈指の繁華街である八丁堀からも徒歩圏内であり、魅力的な飲食店が数多く存在しています。

ここでは、当ブログ「わんたび」で過去に記事にした近隣の飲食店の中から、特におすすめの2店を厳選してご紹介します。ぜひ原爆ドームの観光とセットで味わってほしいお店です。

オススメ①プロの技!広島風お好み焼きは「かんらん車」で

かんらん車お好み焼き

原爆ドームから徒歩5分ほどとアクセス抜群で、熟練の職人が焼く最高に美味しい広島風お好み焼きが楽しめる名店です。カウンター席で焼く様子を眺めながらいただく熱々のお好み焼きは、広島観光の締めくくりにもぴったりです。

オススメ②ビートルズ一色のカフェ「イエスタディー」

イエスタディーのモーニング

ビートルズの音楽が流れるレトロな店内で、小粋なモーニングを楽しめる落ち着いた雰囲気のカフェです。原爆ドームへは徒歩10分程度のため、朝の散歩を兼ねてモーニングとセットで原爆ドームの観光を楽しみたい方に特におすすめです。

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原爆ドームの詳細な基本情報・アクセス

<住所>広島県広島市中区大手町1−10
<電話番号>0822427831
<営業時間>24時間
<定休日>無し
<入場料>無料
<電車アクセス>路面電車「広電」原爆ドーム前駅下車
<車アクセス>JR広島駅より城南通り経由10分

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世界遺産『原爆ドーム』へ。事前知識と「ピース写真は不謹慎か」の問いまとめ

この記事は、あなたが原爆ドームの地を踏む前に、深く何かを考え、感じるきっかけとなることを切に願って執筆しました。

原爆ドームは単なる観光地ではなく、悲劇の瞬間を伝える唯一無二の場所であり、訪れる者に「不謹慎か否か」という問いも含め、絶えず何かを考えさせます。

大切なのは、僕の感想ではなく、あなたがその目で真実を見つめ、何を感じるかです。

ぜひ現地を訪れ、コメント欄にあなたの思いを残してください。僕もその声を聞けることを心から楽しみにしています。

広島市観光
この記事を書いた人
ジャパトラ

関東在住の40代オッサン。
海鮮と海外ドラマをこよなく愛するブロガー。
「旅先のチェーン店、入るべからず」が座右の銘
でもスタバは入るぉ。
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