1954年創業の食道園は、平壌冷麺を日本人好みに改良した、盛岡冷麺発祥の店である。
産みの親である先代のレシピを受け継ぎ、今もなお当時の美味しさのまま提供される食道園の“元祖”盛岡冷麺。その特徴は2つ。
①甘みと出汁のコクは前面に、辛さはマイルドなスープ
②弾力がありながら歯切れの良い自家製麺
盛岡冷麺を語る上で絶対に外せない、食道園をレポしていこう。
食道園の外観と雰囲気
盛岡市内を循環するバス「でんでんむし」でJR盛岡駅より10分。中央通一丁目 の停留所で下車したら、徒歩3分程で食道園に到着する。
JR盛岡駅から徒歩で向かっても15分程度なので、JR盛岡駅前の繁華街を散策しながら向かうのもいいだろう。
店名よりも「平壌冷麺」の文字の方が目立つ看板や暖簾だが、冷麺専門店ではなく焼肉店である。
店内はよくある焼肉店そのもので、くぼみに焼き網がセットされている4人掛けのテーブルが8卓ほど。小上がりも2卓ほど用意されている、こじんまりとした規模の焼肉屋だ。
恐らく家族経営+αの従業員数名でのオペレーションで、和気あいあいとした雰囲気が心地よい。
残念ながら今回は冷麺を目的に訪れた為、焼肉を味わうことはできなかった。食道園の焼肉は、すき焼きのように卵に肉をくぐらせて食べる珍しいスタイルなので、余裕があればぜひ試していただきたい。
こっそり感想を教えてね…w
食道園で実際に盛岡冷麺を食べた感想
韓国の冷麺は日本蕎麦のような色合いをした麺が使われるが、食道園の冷麺は平壌冷麺をアレンジしたもの。
スープの見た目も違う。僕らがパッとイメージできる冷麺のスープは透き通った黄金色だが、食道園のスープは濃い赤茶色をしている。
牛骨8割に鶏ガラ2割。盛岡冷麺産みの親である先代から受け継いだレシピを忠実に守ったスープだ。
コクと甘みを前面に出したサッパリとしたスープは、ほのかな酸味がアクセントとなり、最後まで飽きずに飲み干すことができる。
カクテキの程よい辛さや、ビーフジャーキーのような牛肉チャーシューの香ばしさがスープに溶け出すと、また違った味わいを楽しむことが可能だ。
冷麺では定番となった果物がトッピングされていないのもポイント高し。あれ、完全に蛇足だよね…?
酸味を豪快に感じたい場合は、お酢を足すといいだろう。
辛さは「普通」「辛(2倍)」「特辛(4倍)」の3種類に加え、「別辛」も用意されている。
辛いものが得意じゃない人は、「別辛」をオーダーして、自分好みの辛さに仕上げよう。
ただ、他の店のように、後から辛み調味料を追加してもらうことはできないので、注意。
さて、麺はどうだろうか。
盛岡冷麺は、そのコシの強さからか、度々「ゴムみたいな麺」と揶揄される。
盛岡冷麺の発祥である食道園の麺は、小麦粉とジャガイモでんぷんを先代から受け継いだ秘伝の配合でこね上げた、自家製麺。僕が知るどの盛岡冷麺よりも心地よい弾力があり、喉越しも良い。
弾力=コシ、なのだが、、、
食道園の冷麺は、もはや「コシ」という概念を超越した、なにか新しい弾力感である。冷麺にありがちな「ゴムみたいな」麺とは異なり、歯切れは良いのに弾力は強い。
さすが、発祥の店の風格と言ったところだろうか。
麺自体に甘みがあるのも、食道園の特徴だ。辛いスープと調和が取れ、とてもバランスの良い味わいに変化する。
ただ、スープと麺の甘みで、辛さ好きの舌を満足させることは難しいのではないだろうか。辛さを求めている人は、別途キムチ類の注文がおすすめだ。
食道園のその他メニューと価格
冷麺…950円/カルビ…1,250円/上カルビ…1500円
上ロース…1,950円/ハラミ…1,550円/タン塩…1,400円
ミノ…950円/ホルモン…750円/トントロ…750円
ビビンバ…850円/クッパ…600円/ワカメスープ…450円
ライス…200円/その他キムチ類
※当記事内の価格は全て税込
食道園の基本情報、営業時間とアクセス
【住所】岩手県盛岡市大通1丁目8-2
【電話番号】0196514590
【営業時間】
11:30~15:00(ラストオーダー)
17:00~22:30(ラストオーダー)
【定休日】第1第3火曜日
【キャッシュレス】不可
【アクセス】JR盛岡駅徒歩15分
立地:★★☆☆☆/駅からは遠い
コスパ:★★★★☆/とても高い
清潔度:★★★★★/とても綺麗で安心できる
接客:★★★☆☆/多少雑多な部分あり
入りやすさ:★★★★☆/焼肉屋なのに1人で入りやすい
元祖の店「食道園」の盛岡冷麺レポ。甘み際立つ逸品スープ まとめ
JR盛岡駅から循環バス「でんでんむし」で10分、駅から徒歩でも15分と、ちょっとした隙間時間に訪れやすい食道園。
もともとマイルドなスープにくわえ、辛さも選べる。麺だって「ゴムみたいな」ものではない。不思議な弾力と心地よい喉越しが特徴だ。
老若男女問わず楽しめる盛岡冷麺であることは間違いない。盛岡に訪れた際には、ぜひとも元祖の味を堪能してみてはいかがだろうか。
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