現存12天守のひとつである松山城は、松山観光の要。松山の繁華街「大街道」からも徒歩で行ける利便性も手伝い、連日多くの観光客で賑わっている。
①歴史好きな人
②城好きな人
③体力に自信のある人
今や日本国内外から多くの観光客が訪れる松山城。まだまだ知られざる魅力が隠されていることをご存知だろうか?
この記事では、松山城をより深く知るための以下の情報をお届けする。
- 松山城の歴史や建築について
- 観光にあたっての見どころや注目ポイント
- 松山城周辺のグルメ情報
また、天守閣内部は他の城と同様に、松山城に関わる資料を展示する博物館だ。こうした「観て知る」系の情報は割愛し、松山城に行く前の予習として活用できる情報に絞っている。
松山市駅から路面電車で8分
<松山市駅から往復含む観光時間目安>
2時間
<交通費含む観光費用目安>
1,000円(食事もするなら2,000円)
松山城の見どころ・観光ポイント
現存12天守のひとつである松山城には、敵を欺いたり攻撃を防いだりするための多数の仕掛けがあり、それらを観るのが面白い。
例えば、城壁には攻撃を受けた際に城兵が隠れる「隠し扉」が設けられている。また、天守閣への道のりが迷路のようになっており、敵を遠ざける役割があった。
これらの仕掛けは、松山城の防衛体制の一部として設計されており、その戦略的な要素も松山城の魅力の一つと言える。
見どころ①揚木戸門跡
ロープウェイ乗場から天守閣へ向かい、最初に訪れるポイントが「揚木戸門跡」である。焼失してしまった揚木戸門は、設計図がなくいまだに復元されていない。
揚木戸門では、17メートルもある扇石垣が見どころだ。上に行くにつれて勾配がきつくなる設計で、石垣を越えて侵入する敵を防ぐ。
さらには、左右にある櫓から石垣を越えようとする敵を攻撃できる設計。
地面にも石が埋まっていて、これを「捨て石」と呼ぶ。捨て石は石垣がずれないよう、ストッパーとして機能していた。
見どころ②太鼓櫓
揚木戸門跡を進んで行くと、やがて太鼓櫓へ向かう坂道が現れる。
本丸南西に位置する太鼓櫓は大手を一望できる展望櫓で、松山城防衛の要として機能していた。
ここでは遠くに天守閣が見える。天守閣に真っすぐ延びる道も用意されたが、これは敵を欺くミスリード。行き止まりとなり天守閣には辿り着かない。
このミスリード道で無駄な往復をする敵を、石垣上から攻撃する。実際に天守閣へ向かうには、太鼓櫓の手前を右折しなければならない。
太鼓櫓を右折すると、戸の無い「戸無門」が現れる。敵をおびき寄せるため、あえて戸の無い造りにした。
見どころ③筒井門と隠門
戸無門を抜けると、やがて筒井門と出くわす。本丸最大の門だ。東西の両続櫓で大手を固める、最も重要な櫓門である。
さらに筒井門のすぐ奥には、筒井門からは見えない位置に隠門が存在する。
戸無門を抜け筒井門に到達した敵を、側面から急襲する策略があった。
松山城の豆知識・知っトク情報
ここでは、松山城を観光する上で最低限知っておいてほしい情報をまとめる。
豆知識①松山城の歴史
明治以降に建て替えが行われずに江戸時代以前に築かれたままの天守閣は、全国に12あり「現存12天守」と呼ばれる。松山城もそのひとつで、1603年に築城された。
四国地方最大の城として知られ、戦国時代から多くの武将や城主が関わってきた場所だ。
関ヶ原合戦で功績を収めた加藤嘉明(かとうよしあき)が初代藩主である。
- 1602年築城に着手徳川家康により伊予国20万石の領地を与えられた加藤嘉明により築城
- 1627年藩主交代40万石で会津へ移った加藤嘉明に代わり、出羽国(山形県)から移った蒲生忠知(がもうただとも)が藩主に
- 1635年藩主交代急死した蒲生忠知に代わり、伊勢国(三重県)桑名城主であった松平定行(まつだいらさだゆき)が15万石で藩主に。以後、明治まで松平家の居城となる
- 1854年天守再建1784年の落雷によって焼失した天守の再建が1820年に開始され、この年に完成した
標高約132mの勝山に築城された松山城は、現存12天守では最も新しい。山の中腹から侵入する敵を防ぐため、麓の館と山頂の天守を石垣でつなぐ「登り石垣」を採用。この登り石垣は彦根城と松山城のみで見ることができる貴重なものだ。
勝山山頂を削って本丸を築き、さらに二の丸・三の丸を置く連郭式構造や、小天守・隅櫓を渡櫓で結んだ連立式天守が特徴的である。
豆知識②アクセスはロープウェイ
松山城は勝山山頂にあるため、自身の足で向かうなら登山となる。登山ルートは4つ存在し、どれも30分程度となっている。
8合目まではロープウェイやリフトも運行しているので、体力に自信がない人は利用しよう。
ロープウェイとリフトは共に片道270円、往復520円。現金の他に各種クレジットカードや交通系電子マネー、iDや楽天Edyなども使える。ただし、山頂側(帰り)は現金のみなので、キャッシュレスを利用する場合は往復券を購入しておこう。
豆知識③見晴らしと俳句ポスト
現存12天守のひとつである松山城は、バリアフリーにはなっていない。特に重要文化財指定を受けている天守は江戸時代の本物の城である。階段なども急で、まるでアスレチックと化しているのだ。
残念ながら、体力に自信が無い人や身体が不自由な人は、本丸広場までの見学となる。(ロープウェイがあるので、車いすでも介助人の付き添いで本丸広場までは行ける)
本丸広場までは「見どころ」で紹介した城の仕掛けが楽しめる他、連立天守の雄姿も見ることができる。
また、本丸広場も勝山山頂にあるため、眺めは最高。天守に入らずとも満喫は可能だ。
偉大な俳人・正岡子規を生んだ松山市では、市内に多くの俳句ポストが設置されていて、誰もが気軽に俳句を投函できる。
もちろん松山城にも俳句ポストが設置されているので、素晴らしい眺めで一句詠んでみよう。入選すると記念品が送られてくる。
松山城付近でオススメの飲食店
松山城は繁華街に近い立地なので、周辺に飲食店も多い。松山名物が楽しめる、特におすすめしたい2店舗を紹介しよう。
オススメ①五志喜
鯛を使った各種料理を始め、愛媛県の郷土料理が豊富に楽しめる居酒屋。人気店なので予約して行くべし。
オススメ②清まる
桃鉄の物件でおなじみの「とんかつパフェ屋」。一見ミスマッチに思えるとんかつとパフェだが、食べてみると不思議なことに美味しい。
松山城の詳細な基本情報・アクセス
<住所>愛媛県松山市丸之内1
<電話番号>0899214873
<営業時間>
公園5:00~21:00
天守閣9:00~17:00、(8月)~17:30、(12~1月)~16:30
ロープウェイ 天守閣営業時間の30分前~30分後まで
リフト8:30~17:00
<定休日>12月第三水曜日
<入場料>
天守閣520円
ロープウェイ・リフト片道270円
ロープウェイ・リフト往復520円
<アクセス>路面電車「大街道」電停徒歩5分
松山城の秘密が明かされる!知られざる魅力を大公開まとめ
繁華街「大街道」からも近く、隙間時間に気軽に観光できる松山城。小高い山の上に本丸が存在しているため、登山かロープウェイ・リフトで天守を目指そう。
ロープウェイ・リフトをキャッシュレスで支払う場合は、行きの乗り場で往復券を購入するのを忘れずに。
本丸では、随所に見られる敵を欺く仕掛けを楽しむと共に、本丸広場からの眺めや俳句ポストも魅力的。体力に自信のある人は、アスレチックと化した当時のままの天守閣まで楽しみたい。
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