岩手県盛岡市を訪れたなら、誰もが耳にする「盛岡三大麺」。
喉越しの良い冷麺、エンターテインメント性の高いわんこそば、そして最後の一つが「じゃじゃ麺」です。
せっかくの旅行。地元の名物はすべて制覇したいと思うのが旅人の性ですが、じゃじゃ麺に関しては少しだけ注意が必要です。
実はこの麺、有名店のレビューを覗いても「最高に美味しい」という声と同じくらい「口に合わなかった」という声が並ぶ、非常に珍しいグルメなのです。
「美味しくない店は紹介しない」をポリシーに掲げる僕が、なぜ特定の店を推さず、この記事を書いているのか。
それは、じゃじゃ麺という食べ物が、店側が提供する「完成品」を味わうものではなく、食べる側が「自分だけの正解」をゼロから構築していく、極めてパーソナルな食文化だからです。
僕自身、数店舗を巡り、必死に調味料を組み合わせてみましたが、一度や二度の訪問で「これだ!」という答えに辿り着くことはできませんでした。
それほどまでに、この麺との対話は奥が深く、そして孤独な作業なのです。
なぜ評価が真っ二つに分かれるのか? 旅行者が限られた食事回数の中でじゃじゃ麺に挑むべきか否か? 忖度抜きのリアルな視点で、じゃじゃ麺の正体を紐解いていきます。
じゃじゃ麺とは何か|「完成品」ではなく「育てる」食べ物

じゃじゃ麺は、茹で上げた温かいうどんのような平打ち麺に、特製の肉味噌、キュウリ、ネギがのった状態で運ばれてきます。
これに、卓上にあるラー油、酢、ニンニク、生姜などを、自分好みのバランスで投入し、豪快にかき混ぜて食べるのが基本スタイルです。
ここが最大のポイントなのですが、じゃじゃ麺は提供された瞬間が「完成」ではありません。
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自分の「黄金比」を見つけるまで通う必要がある
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一度食べただけでは、本来のポテンシャルを引き出せないことが多い
つまり、地元の方のように「通い詰めて自分だけの味を完成させた人」にとっては至高の逸品となりますが、調味料の加減がわからない初見の旅行者にとっては、なんとも捉えどころのない味に感じてしまうリスクが高いのです。
正直な感想|旅行者が「避けたほうが無難」な理由
僕も実際に数店舗で実食しましたが、結論として「旅行者には積極的にはおすすめしづらい」と感じました。
その理由は、「旅の食事回数には限りがあるから」です。
1泊2日の旅行なら、チャンスはせいぜい3〜4食。その貴重な1枠を、自分の味が決まっていないじゃじゃ麺に割くのは、ギャンブルに近い要素があります。
もちろん、「地元の文化を体験すること自体が目的」であれば素晴らしい経験になります。
しかし、「シンプルに美味しいものを食べて感動したい」という目的であれば、冷麺やわんこそば、あるいは前沢牛といった他の名物を選んだほうが、満足度は安定するはずです。
それでも食べてみたい方へ|美味しく楽しむための3つのステップ
もし、「それでも盛岡の文化に触れたい!」という好奇心旺盛な方は、以下の手順を意識してみてください。
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まずは肉味噌の味を確かめる いきなり調味料をドバドバ入れず、まずは店独自の肉味噌の味を麺に絡めて確認してください。
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調味料は「少しずつ」が鉄則 ラー油と酢を回し入れ、ニンニクを少量ずつ足しながら、味がどう変化するかを細かくチェックしましょう。
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最後は「ちーたんたん」で締める 麺を少し残した状態で卵を割り入れ、茹で汁を注いでもらうスープ「鶏蛋湯(ちーたんたん)」こそがじゃじゃ麺の醍醐味。これを含めて一つの文化体験です。
盛岡の三大麺を楽しむのにおすすめのお店
「今回はじゃじゃ麺を見送っておく」派の人でも、「じゃじゃ麺を含めて三大麺を制覇したい」派の人でも、じゃじゃ麺以外の三大麺のおすすめ店を知っておいて損はありません。
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盛岡冷麺元祖の店「食道園」
盛岡市内には数えきれないほどの冷麺のお店がありますが、盛岡冷麺の発祥である食道園はマストです。

三大麺「じゃじゃ麺」の正体とは?旅行者が知っておくべき「味の賛否」と楽しみ方の現実まとめ
盛岡のじゃじゃ麺は、飲食店というより「セルフカスタマイズの文化」そのものでした。
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「自分の味」が決まるまで時間がかかるグルメ:調味料で味を育てる文化ゆえ、一見さんにはハードルが高く、評価が真っ二つに分かれるのが現実です。
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食事回数が限られる旅行者は慎重に判断を:「絶対に外したくない1食」を求めているなら、他の三大麺を選んだほうが無難。あえて「挑戦」するなら、それ相応の覚悟が必要です。
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文化体験としての価値は非常に高い:味の正解を自分で探すという体験は、他の街ではなかなか味わえません。盛岡という街の奥深さを知るには、これ以上ない教材と言えます。
このブログを通じて、ほんとうに美味しいお店だけを紹介する僕が、あえて「おすすめしづらい」と書く理由。
それは、あなたの盛岡旅行が最高に美味しく楽しい思い出であってほしいからです。

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